ツバメ(スズメ目ツバメ科)燕
Hirundo(ヒルンド ツバメ属-ラテン語でツバメ)
rustica(ルスティカ 田舎に属する)

Barn(納屋の) Swallow(ツバメ類)     L17cm

北部を除くユーラシア・アフリカ北部・北部を除く北アメリカで繁殖し、冬季はアフリカ南部・インド・東南アジア・フィリピン・ニューギニア・南アメリカに渡る。
日本では、夏鳥として北海道南部以南から種子島以北に渡来し、繁殖する。南西諸島ではおもに旅鳥。本州中部以南では少数が越冬するほか、大陸から別亜種が少数渡来し越冬する。人家の軒先に土と枯れ草を主材にして椀型の巣を作り営巣する。地上へ降りるのは巣材をとるときだけで、飛んでいる虫を空中で捕らえ、水面に嘴をつけながら飛び水を飲む。巣立った幼鳥は巣に戻らず、暫くして葦原などで集団ねぐらをつくり、その後集団で渡る。
日本で普通に見られるのは亜種ツバメH.r.gutturalis。主に春秋の渡り期に観察される胸から体下面が赤橙色の個体は亜種アカハラツバメH.r.saturataとされるが、ユーラシア大陸産の亜種分類が明確でないので、特定は困難という説もある.
【声】「土食って虫食ってシブーイ」と聞きなされる声で囀る。地鳴きは「チュピッ」「ツピッ」と鳴き飛びながらよく鳴く。

【名の由来】土を咥えて運ぶので“土喰み(ツチハミ)”から“ツバメ”と転じる。また“ツバ”は鳴き声から“メ”は鳥を表す接尾語など諸説がある。
○奈良時代から「ツバクラメ」「ツバビラク」「ツバメ」の名で知られている。異名;「ツバクラ」「ツバクロ」「ツバ」

◇馬見丘陵公園では、夏鳥として3月中旬頃には渡来する。早いものは5月中旬頃に巣立ちビナを連れて子育てをする。

2010/07/17  馬見      巣立ち雛に餌を与える
雌雄同色。
成鳥;頭頂から上尾筒にかけての上面と翼が紺色光沢のある黒色で、額と喉からの上胸は赤褐色。眼先は黒い。胸に黒帯があり、下尾筒までの体下面は白い。尾は黒く、内弁の中央に白斑がある。嘴は黒い。
幼鳥;全体に色が鈍く、上面に光沢はなく、尾は短い。
2008/05/20  馬見  土を集める親鳥 2005/07/08  奈良  親鳥を待つ雛たち
2010/03/26  与那国島  腹の赤味を帯びた個体がいた 2008/07/27  兵庫  アシ原で群れ飛ぶ幼鳥
亜種アカハラツバメH.r.saturata?(分類が明確でないので?)
2006/08/10  奈良  塒入り 2007/08/10  奈良   芦原に休む
8月になると葦原を塒とする   夕方になると各地から群れが集まり塒に入り眠る