タシギ(チドリ目シギ科)田鴫
Gallinago(ガッリナゴ タシギ属-ラテン語でgallinaメンドリに似たもの
gallinago(ガッリナゴ メンドリに似たもの)

Common(普通の) Snipe(ジシギ類)     L27cm
奈良県レッドリスト 希少種

ユーラシア大陸北部・北アメリカ北部で繁殖し、ヨーロッパ・アフリカ・中東・インド・東南アジア・北アメリカ南部で越冬する。
日本では、旅鳥として春秋に全国の農耕地、湿地などに飛来するが、本州中部以南では冬鳥として池、川、水田跡などに渡来する。乾燥した農耕地は好まない傾向がある。小群でいることが多い。日中は草陰や稲の切株の陰にじっとしていて、夕方から活動する。水の中に嘴を垂直に差し込んで、水底の泥の中のミミズ類や昆虫類を捕食する。
【声】飛び立つときに「ジェッ」と声を出す.

【名の由来】水田などの湿地にすむシギなので“田シギ(タシギ)”。“シギ”は羽音が賑やかなので「騒ぎ」に由来する。
○奈良時代から種類を区別せずシギ類を「シギ」の名で知られていたが、江戸時代中期から区別して「タシギ」と呼ばれる。タシギとヤマシギは区別されず「ボトシギ」とも呼ばれた。

◇馬見丘陵公園では、2013/04/21に探鳥会時に観察する。近隣の農耕地では冬期に観察するが公園には生息環境がないためか見ることは稀。

2006/09/05  奈良    雌雄・夏冬羽同色
雌雄同色。非常に長い嘴を持つ。
頭部は黒色の頭側線、過眼線、頬の線と、クリーム色の頭央線、眉斑のコントラストが目立つ。過眼線は太く、眉斑は眼の前方でそれほど広くない。背や肩羽は黒い軸斑内に赤褐色の模様があり、クリーム色の羽縁で縁取られ、線状になってみえる。雨覆は黒褐色で、淡色の羽縁がある。
飛翔時;次列風切先端の白線が、下雨覆の白色部とともに目立つ。
2008/09/13  奈良  幼羽?   2004/09/15  奈良   
オオジシギ、チュウジシギと比し、嘴が長く見え、
眼の前の眉斑が広くなく、過眼線が太い
尾羽の外側;タシギの尾羽の外側1枚のみ白く黒斑
(チュウジシギは暗色部が主体で淡色の斑列がはいる、
オオジシギは白色部が主体で黒斑が散らばる)
2009/08/29  奈良  2009/09/22  奈良 
飛翔時などに、次列風切の羽先が白いのが目立つ
(オオジシギ・チュウジシギ・ハリオシギは目立たない) 
翼下面の下雨覆の白色部が目立つ
(オオジシギ・チュウジシギ・ハリオシギは白と黒の縞模様)