タマシギ(チドリ目タマシギ科)玉鷸
Rostratula(ロストゥラトゥーラ タマシギ属-ラテン語で先の曲がった嘴)
benghalensis(ベンガレンシス ベンガル産の)

Greater(大きな) Painted-snipe(化粧をするシギ)     L23.5cm
レッドリスト 絶滅危惧U類
奈良県レッドリスト 希少種

インドから東南アジア・中国・アフリカ・オーストラリアに分布する。
日本では、留鳥として北陸地方、関東地方以南で繁殖し、水田、湿地、休耕田などに生息する。山形県・宮城県・北海道などでも繁殖記録がある。冬にはより南へわたるものもいる。動作は不活発で、飛翔速度も遅く足を垂らして低く飛ぶ。嘴を左右にふって餌をとる。雌は雄より色彩的に美しく、1妻多夫の繁殖習性をもち、雄が抱卵、育雛をする。
【声】繁殖期に♀が、夕方から夜にかけ「コォー、コォー」と鳴く。

【名の由来】眼の周りの白い模様が勾玉に似ているから“玉シギ(タマシギ)”。玉のように美しい羽をしたシギとの説もある。
○江戸時代には「ハマダラシギ」「ハマハシギ」「ハマダラ」などと記されている。

2007/05/16  奈良  ♀     
♂成鳥;頭部から上面にかけて褐色味が強く、喉から胸は灰褐色で、腹から下尾筒は白い。雨覆には淡黄褐色の水玉斑があり、風切の外弁にも茶褐色の水玉模様と黒色の斑がある。
♀成鳥;♂より色彩が派手。額から頸は赤褐色で、胸は黒く、背からの上面は緑がかったブロンズ色。
♀♂とも;頭央線と背の線は黄褐色で、胸から側胸にかけて白線があり、背の黄褐色のV字線に繋がっている。アイリングとその後方は勾玉のような模様をしており、♂は黄褐色、♀は白色。嘴は肉色味を帯び、足は黄緑色。
幼鳥;♂に似て地味な色合いをしている。
2005/07/07  奈良    ♀手前  ♂後方 2007/06/30  奈良  ♂
雌は雄より目立つ色彩をしている
2009/09/01  奈良    ♀ 2009/09/11  奈良   ♂と綿毛のヒナ   
夕方になり、羽を上に上げディスプレイをする 1妻多夫の繁殖習性をもち、巣作り産卵までは♀がするが、
その後の抱卵・育雛は♂が行う