サンコウチョウ(スズメ目カササギヒタキ科)三光鳥
Terpsiphone(テルプシポーネ サンコウチョウ属-ギリシャ語でterpos喜ばせるphone音)
atrocaudata(アトゥロカウダータ aterra黒いcauda尾)

Japanese(日本の) Paradise-Flycatcher((天国のヒタキ類-飛ぶ虫を捕らえるもの))                   L♂44.5cm、♀17.5cm
奈良県レッドリスト 希少種

台湾・フィリピンで繁殖し、冬季は中国南部・インドシナ・マレー半島・スマトラへ渡る。
日本では、夏鳥として本州以南に渡来し、平地から低山のよく茂った薄暗い林に生息する。北海道では迷鳥。暗い林を好み林の間を軽快に飛びまわり昆虫を捕らえる。細い枝にコップ型の巣をつくる。
日本では2亜種が知られ、本州から屋久島には亜種サンコウチョウT.a.atrocaudataが、奄美大島以南の南西諸島には亜種リュウキュウサンコウチョウT.a.illexが夫々夏鳥として渡来し繁殖する。
【声】「フイ チー ホイホイホイ」と口笛のような声で囀る。雌も雄に比し少し小さいが同じように囀る。地鳴は「ギッギッ」。

【名の由来】ツキー(月)ヒー(日)ホシー(星)ホイホイホイと聞きなし、“三光鳥(サンコウチョウ)”の名となった。
○江戸時代前期から「サンコウテウ」の名で知られている。「ヲナガドリ」「カキヤマブシ」「ビンブクテウ」


◇馬見丘陵公園では、春・秋の渡り期に飛来したのを観察しているが稀。

2010/05/12    ♂
♂成鳥;頭部から胸にかけては紫色光沢がある黒色。後頭の短い冠羽は♀にもある。背は紫褐色で光沢があり、翼と腰から尾は黒いが紫色味を帯びる。中央尾羽の2枚が非常に長いのが特徴。腹からの体下面は白色。足は灰黒色。
♀成鳥;頭部から胸が灰黒色で、背は茶褐色。翼は黒褐色で、雨覆、初列・次列風切の羽縁、三列風切外縁は茶褐色。尾も茶褐色で、短い。
♂♀とも;コバルトブルーのよく目立つアイリングがあり、嘴も同色。
第1回冬羽;♀成鳥に似るが、上面が褐色味を帯びる。尾の長さは♀成鳥と同じ。
2006/06/28    ♂ 2005/07/27    ♀
2006/06/21      巣立ち雛に給餌する♂ 2006/06/28    巣立ち後10日頃の幼鳥
雛は同じところに止まって親の給餌を待つ 森の中を盛んに飛び回る

亜種リュウキュウサンコウチョウ  T.a.illex  
2009/07/03  宮古島  ♀
奄美大島以南の南西諸島に夏鳥として渡来し繁殖する。
形態や羽色だけでは両亜種の野外識別は困難。