ルリビタキ(スズメ目ヒタキ科)瑠璃鶲
Tarsiger（タルシゲール　ルリビタキ属-ラテン語でフショを持った　とまる姿から　tarsus足首）
cyanurus（キュアヌルス　cyaneus紺青い（尾））　
Red-flanked（赤い脇腹の） Bluetail（青い尾）　　　　　L１４cm
奈良県レッドリスト　希少種

フィンランドからウラル山脈以東のシベリア南部・カムチャッカ・コマンドル諸島・サハリン・千島・中国中部・ヒマラヤからアフガニスタンで繁殖し、北方のものは冬季インド西部・中国南部・インドシナに渡る。
日本では、留鳥または漂鳥として北海道、本州、四国に分布する。四国の高い山、本州中部以北の亜高山帯から高山帯の針葉樹林、北海道の亜寒帯の林で繁殖し、下生えの低木の中にいる事が多いが、囀るときには高い枝にとまる。冬はおもに本州中部以南に移動し、山麓の暗い斜面や渓流沿いの藪のほか、都市公園でも越冬する。越冬地では群れをつくらず１羽ずつでくらし、地上近くで見られあまり明るい場所には出ない。
【声】「ヒチュリ、チュリリリチョロチー」などとテンポよく早口で囀り、「ルリビタキだよ」と聞きなす。地鳴きは「ヒッ」「カッ」と鳴く。

【名の由来】瑠璃色のヒタキの意。“ヒタキ”はヒッヒッと火打石をたたく音に似た声で鳴くので“火焼（ヒタキ）”という。
○室町時代からオオルリ・コルリと共に「ルリテウ」、安土桃山時代から「ルリ」の名で知られ、江戸時代中期に区別して「ルリビタキ」と呼ばれるようになった。異名；「ヤブテウ」「ユキヒタキ」

◇馬見丘陵公園では、冬鳥として少数の個体が渡来し、林下の低木の中で行動しているところが観察できる。

2006/02/13　　　馬見　　成鳥♂　　ヌルデの実を食べる
♂成鳥；頭部、顔、背から尾にかけては青色。風切は黒褐色で外縁は青い。眉斑と喉からの体下面は白い。側胸と脇は橙黄色。嘴と足は黒い。繁殖期には頭部や顔が黒味を帯び、胸も黒く汚れた色になる。眉斑は小さくなり、なくなるものもいる。 ♀成鳥；頭部からの上面がオリーブ褐色で、尾には青味がある。喉からの体下面は白く、胸は褐色味を帯びる。側胸から脇は淡橙黄色。アイリングは白い。 ♂第１回冬羽；♀成鳥に似るが、翼角や上面などに青味があり、脇の橙色斑や尾の青味も濃い。
2005/01/28　　馬見　　成鳥♂	2005/02/12　　奈良　　♀
2010/01/22　　馬見　　第２回冬羽♂	2006/03/08　　奈良　　第1回冬羽♂
成鳥に比し青みに鮮やかさが欠ける	第1回冬羽♂は♀に似ているが、 翼角や上面などに青味があり脇の橙色斑や尾の青味も濃い