コチドリ(チドリ目チドリ科)小千鳥
Charadrius(カラドゥリウス チドリ属-ギリシャ語で渓谷に営巣するチドリの一種)
dubius(ドゥビウス はっきりしない)

Little(小さな) Ringed(輪のある) Plover(チドリ類)     L16cm

北半球の亜寒帯・温帯・熱帯及びニューギニアで繁殖し、アフリカからインド・東南アジアで越冬する。
日本では、夏鳥として九州以北の河川、干潟、水田、埋立地などに飛来し、河川敷・造成地などの草の少ない砂礫地に窪みをつくって営巣する。本州中部以南では少数が越冬する。
【声】「ピォ、ピォ」と鳴く。繁殖期には「ピォ、ピォ、ピュー、ピュー」と鳴いて飛び回る。

【名の由来】小型の千鳥で“小千鳥(コチドリ)”。“チドリ”は多数で群れるので“千鳥(チドリ)”。
○奈良時代から小型のチドリ類を区別せずまた小型のシギ類も含め「チドリ」と呼んでいた。江戸時代に区別して「コジュン」と呼ぶようになる。チドリの異名に「カハチドリ」「ハマチドリ」「イソチドリ」「カハラハシリ」「カハラチドリ」

◇馬見丘陵公園では、池畔の砂地などに飛来するが稀。
2008年には工事中の荒地で繁殖し孵化したヒナを観察する。

2005/05/18  大阪  夏羽♂
日本産チドリ類では最小。雌雄ほぼ同色。
♂夏羽;額と眼の後方が白く、嘴基部から過眼線、前頭まではつながって黒い。頭頂から後頭は灰褐色。喉から後頸は白色、胸から後頸下部は黒色で、ともに頸輪状になっている。前頭の黒色と頭頂の褐色の間に白色部があり、黄色いアイリングがある。背からの上面は砂褐色で、嘴は黒く、足は黄色。(稀に下嘴基部が黄橙色の個体もいる)
♀夏羽;♂に比し顔などの黒色部に褐色味がある。
冬羽;顔と胸の黒味がなくなり、全体に褐色になる。アイリングも淡くなる。
飛翔時;翼上面は一様に砂褐色で翼帯はない。
幼鳥;冬羽に似るが羽色はより淡く、淡色の羽縁がある。アイリングは淡黄色。
2006/03/20  大阪  夏羽♀  冬期のうちに夏羽に変わる 2005/10/04  奈良  冬羽    晩夏には冬羽に変わる
2006/08/22  奈良  幼羽 2010/04/08  大阪  翼上面は一様に砂褐色で翼帯はない