コサメビタキ(スズメ目ヒタキ科)小鮫鶲
Muscicapaムスキカパ サメビタキ属-ラテン語でmuscaハエをcapio採るもの
dauurica(ダウウリカ バイカル湖東岸ダウリア地方の)
Asian Brown(アジアの茶色の) Flycatcher(ヒタキ類-飛ぶ虫を捕らえるもの)     L13cm
奈良県レッドリスト 希少種

インド・ヒマラヤ・バイカル湖周辺からアムール・ウスリー・中国北東部・サハリンで繁殖し、」インドから中国南部・東南アジアで越冬する。
日本では、夏鳥として九州以北に渡来し、低地から低山の落葉広葉樹林に生息し繁殖する。横枝にコケなどを巣材にしてお椀型の巣をつくる。春秋の渡り期には都市公園でも観察される。枝の先にとまり、フライキャッチングをよくする。
【声】小さく細い声で、ぐぜるように囀る(サメビタキに似るがテンポはゆっくりしている)。地鳴きは「ツィー」とか細い声。

【名の由来】“コ”は小形で、灰褐色の羽色が鮫皮に似ているので、“小鮫ビタキ(コサメビタキ)”。
○ヒタキは平安時代から「ヒタキ」、鎌倉時代から「ヒタキドリ」の名前でしられていた。江戸時代中期から区別して「コサメジタキ」の名で呼ばれるようになった。異名;「コアガリ」

◇馬見丘陵公園では、渡りの時に姿を見ることがある。(2014年7月に幼鳥を観察)

2006/09/14  大阪
サメビタキ・エゾビタキより小さい。雌雄同色。
成鳥;
顔、頭部から尾までの上面が灰褐色で、尾はやや暗色。翼は黒褐色で、サメビタキ・エゾビタキより短い。アイリングと眼先は白い。喉からの体下面は白色で、側胸と脇は褐色味を帯びる。上嘴と下嘴先端は黒色で、下嘴中央部から基部にかけては橙黄色。足は黒っぽい。
第1回冬羽;大雨覆の羽先と三列風切外縁の淡色部が目立つ。
幼鳥;頭部から背にかけて多くのバフ色斑が目立つ。
2004/09/11  馬見  幼羽 2009/07/26  大阪  幼鳥
幼羽:雨覆と三列風切の羽縁が成鳥よりハッキリしている 幼鳥:頭部から背にかけてバフ色斑が目立つ

ヒタキ3種の識別
コサメビタキ サメビタキ エゾビタキ
大きさ 13.0cm 13.5cm 14.5cm
アイリング 白くて太く、輪郭は不明瞭 白くて明瞭 汚白色
顎線など 顎線は淡い灰褐色 顎線は暗灰褐色で目立つ 頬線と顎線の間の線が明瞭
下嘴基部は橙色で広い 下嘴基部は黄色で狭いかない
嘴は短かい
嘴はサメビタキより長い
目先の白色部 広く、輪郭が不明瞭 輪郭が明瞭で下部が黒っぽい サメビタキより白い
上面の特徴 灰褐色 暗灰褐色 褐色味の強い灰褐色
胸と脇 淡い灰褐色 灰褐色の不明瞭な縦斑(個体差大) 灰褐色の明瞭な縦斑(個体差大)
初列風切の突出 三列風切より短い
先端は尾の半分ほど
三列風切と同じかやや長い
先端は尾の2/3に達する
三列風切と同じかやや長い
先端は尾の半分ほど
下尾筒 白く軸斑はない 白く灰褐色の軸斑がある 白く軸斑はない
写真