コゲラ(キツツキ目キツツキ科)小啄木鳥
Dendrocopos(デンドゥロコポス アカゲラ属-ギリシャ語でdendron木-koposあくせく働く)
kizuki(キズキ 標本採集地の大分県杵築の)
Pygmy(小さい) Woodpecker(キツツキ類-木を突くものの意)     L15cm

ロシア南東部・サハリン・朝鮮半島北部・中国東北部に分布。
日本では、留鳥として北海道から西表島までの低い山や山麓の林に生息する。枯れかけた木に穴を開けて営巣する。秋冬には平地の林に漂行するものもあり、カラ類やエナガと行動を共にしている。幅が広く短めの翼をバタバタと羽ばたき、大きな波形を描いて飛ぶ。
日本では9亜種が分布し、羽色は北のものほど白っぽく、南へ行くほど黒っぽくなり、体下面の縦斑も太くなるが、野外での識別は難しい。
亜種エゾコゲラD.k.seebohmi(北海道)、亜種コゲラD.k.nippon (東北・関東・中部)、亜種ミヤケコゲラD.k.matsudairai (伊豆諸島)、亜種シコクコゲラD.k.shikokuensis (近畿・中国・四国)、亜種ツシマコゲラD.k.kotataki (対馬、隠岐諸島)、亜種キュウシュウコゲラD.k.kizuki (九州)、亜種アマミコゲラD.k.amamii (奄美諸島)、亜種リュウキュウコゲラD.k.nigrescens (沖縄本島周辺)、亜種オリイコゲラD.k.orii (西表島)。
【声】「ギィー」と鳴く。「ギィー、キキキキ」と鳴くこともある。

【名の由来】小型の“ケラ”の意。木をつついて虫ケラを食べるので“ケラツツキ”となり転じて“ケラ”、またアカゲラの鳴き声を「ケラケラケラ」と聞きなして“ケラ”となったとも。
○江戸時代中期から「コゲラ」の名で知られている。異名;「キネズミ」「キバシリ」

◇馬見丘陵公園では、留鳥として周年棲息し繁殖している。木の幹、枝先と活発に動き回る姿がよく見られる。

2008/04/14  大阪   ♂♀が交互に巣の中に入り、近づくスズメを追いかけ、巣を守っていた(外の個体が♂中が♀)
日本産キツツキ類では最小。
成鳥;額から頭頂が灰褐色で、後頭から上背と腰から尾は黒褐色。背、肩羽、翼などの上面も黒褐色だが、白い横縞がある。外側尾羽は白色で、黒褐色斑がある。眉斑や頬線、側頸、喉からの体下面は白く、顎線から側頸は褐色。胸から脇には褐色の縦斑がある。虹彩は暗赤色。嘴は黒く、足は灰黒色。
♂♀;♂には後頭の左右両側に見えないことが多いが小さな赤色斑がある。成鳥♀にはない。
2009/10/28  馬見 2009/05/17  馬見   上;幼鳥  下;親鳥

亜種エゾコゲラ  D.k.seebohmi
2014/03/08  北海道          亜種コゲラに比し体下面が白っぽく、上面の白い斑も目立つ
亜種アマミコゲラ  D.k.amamii 亜種ミヤケコゲラ  D.k.matsudairai 
2010/04/17  奄美大島 2011/06/05  三宅島
亜種コゲラに比しやや褐色味が濃い