キジ(キジ目キジ科)雉
Phasianus(パシアヌス キジ属-ギリシャ語でキジ 黒海東岸のパシス川に由来)
colchicus(コルキクス 黒海
東岸のコルキス地方に属する)
Common(普通の) Pheasant(キジ)     L♂80cm ♀60cm

ヨーロッパ中部から東アジアに分布・
日本では、留鳥として本州から九州の屋久島まで分布し、平地から山地の草原、農耕地、川原、林縁、疎林などに生息する。北海道と対馬には元来分布せず、移入された亜種コウライキジP.c.karpowiが分布している。繁殖期以外は♂どうし、♀どうしの小さな集団をつくる。おもに地上で生活し、樹上で眠る。
日本固有亜種として亜種キジP.c.robustipes、亜種トウカイキジP.c.tohkaidi、亜種シマキジP.c.tanennsisi亜種キュウシュウキジP.c.versicolorの4亜種が確認されていたが、現在では放鳥が多く亜種間の交雑が進み区別できなくなっている。また移入種の亜種コウライキジP.c.karpowiについては別種とすべきの説もある。
日本の「国鳥」に指定されている。
【声】♂は繁殖期に「ケッケーン」と大きく通る声で鳴き、翼を激しくはばたかせ「ドドドド」と羽音をたてる-母衣(ほろ)うち。

【名の由来】古名である“キギス”から“キギシ⇒キジ”と転じる。古名の“キギス”の語源は“キギ”は鳴き声から“ス”は鳥を表す接尾語。
○奈良時代から「キジ」「キギシ」「キギス」の名で知られている。異名;「サノツトリ」「ノツトリ」「カホトリ」「カホヨドリ」「ウツバリ」「ミユキトリ」「ヤマノウツバリ」

◇馬見丘陵公園では、留鳥として生息し繁殖している。公園に隣接する田畑地も含め繁殖期に縄張りを宣言するオスの姿を見ることが多かったが、近年林下の笹が刈られ公園内で観察する機会は少なくなった。

2007/06/04  馬見           
♂成鳥;色彩は派手で目立つ。尾は長くて尖る。顔の皮膚が裸出して赤く、ハート形を横にした形をしている。頸は紫色、胸からの体下面は光沢のある緑色。背は緑色、肩羽は羽縁が赤褐色で、黒色と淡黄色のU字形の模様があるため鱗状に見える。小・中雨覆と腰は青灰色。大雨覆は淡褐色で、青灰色と赤褐色の羽が混じる。上尾筒は緑黄色。尾は淡灰褐色で中央から4〜6枚ほどには黒い横帯が明瞭にあり、両側が紫灰色。
♀成鳥;全身が淡黄褐色で、頭部からの上面、腹にかけて黒褐色の斑が密にあるため、一見してまだら模様に見える。尾は♂に比べて短い。
2015/01/11  奈良  ♀ 2012/04/29  奈良   「ケッケーン」と鳴き母衣うちする♂



亜種コウライキジ(キジ科)高麗雉  P.c.karpowi
北海道・対馬などのほか、離島などに放鳥されていることが多い。日本のキジとは別種とする見解もある。

2014/10/12   石垣島  亜種コウライキジ♂
胸の白い輪が目立つ。胸から腹は赤味のある小豆色で、背と脇は黄褐色で黒い斑がある。