カワラヒワ(スズメ目アトリ科)河原鶸
Chloris(クロリス カワラヒワ属 chloreus緑色の)
sinica(シニカ 中国に属する)

Grey-capped(灰色の帽子を被った) Greenfinch(緑色のヒワ類)     L14.5cm

カムチャッカ・サハリン・朝鮮半島・アムール川流域・ウスリー・中国東部で繁殖し、北で繁殖するものは冬季南へ渡る。
日本では、亜種カワラヒワC.s.minorが留鳥または漂鳥として九州以北に分布し、九州以北の低地から低山で繁殖する。本州中部以北のものの多くは冬に温暖地へ移動する(北海道では夏鳥)。市街地や村落付近の雑木林や公園に普通にいる。秋冬には川原・農耕地に群れを作って棲み、黄色い翼を見せて飛ぶ。
亜種カワラヒワの他、亜種オオカワラヒワC.s.kawarahibaは冬鳥として全国に渡来する。亜種オオカワラヒワは亜種カワラヒワより一回り大きく、三列風切外弁の白色部が幅広い傾向にある。また小笠原諸島と硫黄列島に亜種オガサワラカワラヒワC.s.kittlitziが留鳥として分布する。同亜種は体が小さく黄色味が強い。
【声】「キリキリコロコロ、ビイーン」と囀る。地鳴きは「キリッ、キリッ」「キリキリコロコロ」。

【名の由来】河原にすむヒワなので、“河原鶸(カワラヒワ)”。“ヒワ”の語源は細くたおやかな弱弱しい鳥の意で、足の骨がとても弱くバンディングで捕獲した時には骨折しないよう注意しなければならないそうだ。
○平安時代からヒワ類を区別せず「ヒワ」の名で呼び、安土桃山時代から区別して「カハラヒワ」と呼ばれるようになる。異名;「木スズメ」「カラヒワ」「タデヒワ」「ハマスズメ」

◇馬見丘陵公園では、留鳥として周年棲息し繁殖しているが、8月から9月にかけての換羽期には姿が見られなくなる。
  秋から冬の季節には、冬鳥として移動してくる「亜種オオカワラヒワ」の群れもあり、数多く観察される。

2004/12/07  奈良    亜種オオカワラヒワ  下の2羽♂   上の3羽♀
♂は、頭部の黄緑色が強く、目先から嘴の基部が黒っぽい
♂成鳥;頭頂から後頸が灰黒色で、顔から喉がオリーブ緑色。背、肩羽から上尾筒、雨覆はオリーブ褐色。風切は黒っぽく、翼角と初列・次列風切基部は黄色で、飛翔時は翼帯として目立つ。三列風切外弁はやや淡色。尾は黒っぽく、凹尾。胸からの体下面はオリーブ褐色で、下腹の一部と下尾筒は黄色。嘴は淡い肉色で、足は赤味のある肉色。
♀成鳥;全体に淡色で、頭部に褐色味が強い。
幼鳥;上面が淡色で、下面は汚れた黄白色。頭部から背、喉からの体下面に褐色の縦斑が密にある。
2007/04/24  馬見   亜種カワラヒワ  左;♂ 右;♀ 2005/06/05/   馬見  亜種カワラヒワ 幼鳥  
繁殖期に入り♂♀ペアで行動する姿が多くなる 全体に色が淡く、下面には褐色の縦斑がある

亜種オガサワラカワラヒワ  RDB 絶滅危惧TA類
2012/07/13  小笠原-母島   体が小さく、黄緑色が強い. 嘴は大きく長い