カケス(スズメ目カラス科)懸巣
Garrulus(ガッルルス カケス属-ラテン語でgarrulus騒々しい)
glandarius(グランダリウス glandisドングリを好むもの)

Eurasian(ユーラシアの) Jay(カケス;鳴声由来)     L33cm

ユーラシアの中緯度地域・北アフリカ・東南アジアに広く分布する。
日本では、留鳥または漂鳥として屋久島以北に分布し、平地から山地の林に生息する。秋冬には暖地へ移動するものもある。フワフワと直線的に飛ぶ。
日本には北海道に亜種ミヤマカケスG.g.brandtii、本州・四国・九州・対馬に亜種カケスG.g.japonicus、佐渡に亜種サドカケスG.g.tokugawae、屋久島に亜種ヤクシマカケスG.g.orii の4亜種が分布するが、亜種ミヤマガラス以外の3亜種は羽色にほとんど差異はない。
【声】しわがれた「ジェーイ」と言う声を出す(他の鳥の声のほか様々な音を真似ることも多い。タカ類の声もよく真似る)。

【名の由来】枯れ枝で樹木に巣をかけるので、“懸巣(カケス)”。また鳴き声から名付けられたとの説もある。
○平安時代から「カシドリ」の名で知られ、江戸時代から「カケス」とも呼ばれるようになった。明治・大正時代の鳥類目録には「カシドリ」「カケス」が並記されていたが、後に「カケス」に統一される。異名;「カケストリ」

◇馬見丘陵公園では、春・秋の移動のときに通過する鳥を観察することがあるが稀。

2006/02/10  奈良  亜種カケス
雌雄同色。
成鳥;
額から頭頂が白く、黒い縦斑がある。眼の周りから顔前部は黒く、喉は白い。耳羽や頸、背、肩羽と胸はブドウ褐色でやや灰色味を帯びて見える。脇はブドウ褐色。腹からの体下面は白い。翼は大・初列雨覆、外側次列風切数枚の基部は青色、黒色、白色の横斑模様。その他の部分は黒色で、外縁は白い。腰は白く、尾は黒色。嘴は鉛色で、先が黒い。足は肉色。虹彩は白い。

飛翔時;腰と翼の白色部や黒く長めの尾が目立つ。
2010/10/03  奈良
2008/04/27  大阪   芽吹きのブナの森で クリの実を蓄えるのか咥えて運ぶ

亜種ミヤマカケス  G.g.brandtii
2012/01/12  北海道
頭部が茶色で、額から頭頂に黒い縦斑があり、顎線は黒い。背や体下面は亜種カケスよりも灰色味が強く暗色。虹彩は褐色