イカル(スズメ目アトリ科)鵤
Eophona(エオポナ イカル属-ギリシャ語でeos曙の女神のphone声)
personata(ペルソナータ persona仮面を被った)
Japanese(日本の) Grosbeak(シメ類;太った体と猛禽などの嘴の鳥) L23cm
奈良県レッドリスト 郷土種
ロシアのアムール・中国東北部で繁殖し、大陸のものは冬季中国南部へ渡る。
日本では留鳥または漂鳥として九州以北に分布し、平地から山地の落葉広葉樹林で繁殖する。秋冬には温暖地の平地から山地の林に群れですむ。丈夫な嘴でハゼ、ヌルデ、ムクノキ、ニレばどの硬い木の実を割って中の種子を食べる。飛翔時は波状を描いて飛ぶ。
雌雄同色。
【声】「キー キョコ キィー」と朗らかな声で囀り、「月日星」「お菊二十四」と聞きなす。地鳴きは「キョッ、キョッ」とキツツキ類に似る。
【名の由来】鳴き声を「イーカールー」と聞きなしたとの説がある、奈良時代の「イカルガ」の名から法隆寺のある斑鳩の地との関連の説もある。
○奈良時代から「イカルガ」の名で知られている。室町時代には「イカル」「マメマハシ」「マメウマシ」の名でも呼ばれるようになる。明治時代の鳥類目録には「イカル」「マメマワシ」が並記されているが、大正時代に「イカル」に統一される。異名;「マメウマシ」「マメドリ」
◇馬見丘陵公園では、冬期に時々飛来し、明るく朗らかな声で囀る姿を見ることがある。
イカルに所縁のある「斑鳩」に近い馬見丘陵公園では、いつも見れる鳥であって欲しい。
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2007/02/28 馬見 冬羽 地面に下りて採餌する |
体が太めで、黄色く大きな嘴が目立つ。雌雄同色。
成鳥;額から頭頂と顔前部は紺色光沢を帯びた黒色。顔や後頭から背、腰、喉から腹までは灰褐色で、下腹から下尾筒は白い。脇は淡褐色味を帯びる。翼は次列風切基部と大雨覆が光沢のある紺色で、初列風切中央には白斑がある。三列風切は淡褐色味を帯び、その他の雨覆、風切は黒い。尾は深い凹尾で黒く、中央尾羽には紺色光沢がある。嘴は黄色で、太く大きい。足は赤味を帯びた肉色。
飛翔時;白い翼帯が目立つ。
夏羽;♂♀とも冬羽とほとんど羽色に差異はないが、嘴の基部が黄緑色味を帯びる。
幼鳥;頭部が灰褐色で、全体に褐色味が強い。嘴基部と眼の周りが黒っぽい。 |
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2009/04/16 奈良 夏羽 幹にいる虫を採餌 |
2010/02/02 馬見 |
夏羽;嘴の基部が黄緑色味を帯びる |
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