ヒシクイ(カモ目カモ科)菱喰
Anser(アンセル マガン属-ラテン語でガン)
fabalis(ファバリス faba豆に関係のある)
Bean(豆などの農耕地で採食する) Goose(ガン類) L78-100cm
レッドリスト 絶滅危惧II類
国の天然記念物
ユーラシア大陸北部で繁殖し、ヨーロッパ中部及び南部・中央アジア・中国の黄河及び揚子江流域・朝鮮半島に渡って越冬。
日本には冬鳥として本州以北に渡ってくるが局地的である。 東北地方北部以北では旅鳥。湖沼や水田に棲み、干潟や海上にいることは殆どない。非常に警戒心が強く、広い水面や湿地などをねぐらとし、広い水田や湖沼などで、落穂、水草やその根などを採食する。越冬地でも親子関係をる続ける。
日本へはタイガ地帯で繁殖するタイガ型の亜種オオヒシクイA.f.middendorffiiと、ツンドラ地帯で繁殖するツンドラ型の亜種ヒシクイA.f.serrirostrisが主に渡来するが、稀に小型の亜種ヒメヒシクイA.f.curtusが記録されている。
ガン類。
【声】亜種ヒシクイはマガンほど高くなく、金属質を帯びた「ギャハハーン」、亜種オオヒシクイは太く低い声で「ガガン、ガガン」と鳴く。飛翔中に鳴くことが多い。
【名の由来】菱の実を好んで食べることから“菱食(ヒシクイ)”。
○奈良時代から他のガン類と区分せず「カリ」「カリガネ」と呼ばれていたが、鎌倉時代からは大きい「カリ」を「コウ」と呼び、室町時代から「ヒシクイ」と呼ばれるようになる。異名;「マヒシ」「ヌマタロウ」「ヤチヒシクイ」
亜種ヒシクイA.f.serrirostrisはツンドラ地帯で繁殖するグループの亜種で、カムチャッカ・北海道東部経由で宮城県北部まで飛来する。
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2004/12/26 滋賀 亜種オオヒシクイ 準絶滅危惧 | ||
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2008/01/19 石川 亜種ヒシクイ 絶滅危惧U類 | 2008/01/19 石川 左;亜種ヒシクイ 右;亜種オオヒシクイ | |
ヒシクイ; 全長78〜89cmと小さく、嘴と頸は太くて短い。額から嘴のラインは嘴の付け根で角度がついて曲がる。 オオヒシクイ; 全長90〜100cmと大きく、嘴と頸は長い。額から嘴にかけてのラインは滑らか。 |