ハヤブサ(ハヤブサ目ハヤブサ科)隼
Falco(ファルコ ハヤブサ属-ラテン語でハヤブサ falx鎌から爪に由来
peregrinus(ペレグリヌス よそ者の)

Peregrine(外来のまたは放浪する) Falcon(ハヤブサ類-学名から-鎌のように鋭い爪の意)     L♂38cm ♀51cm   W84〜120cm
レッドリスト 絶滅危惧II類
奈良県レッドリスト 希少種

南極を除く全世界に広く分布。
日本では、九州以北に留鳥として分布し、主に海岸の断崖で繁殖する。冬は沖縄を含む全国に冬鳥として渡来する。平地から山地の海岸、河口、湖沼、農耕地などの平けた場所に生息し、海岸の断崖や岩壁の岩棚や横穴で繁殖するが、ビルや橋脚など人工構造物に営巣することもある。断崖や鉄塔の上など見晴らしの良いところにとまり、獲物の小鳥などを見つけ翼をすぼめて急降下し、獲物を足でけり落とし、その後捕える。羽ばたいて直線的に速く飛び、時々滑翔(グライディング)をする。
日本で繁殖するのは、亜種ハヤブサF.p.japonensis、亜種シマハヤブサF.p.furuitii(北硫黄島で留鳥-絶滅危惧TA類)で、他に冬鳥として渡来する亜種オオハヤブサF.p.pealei、亜種アメリカハヤブサF.p.anatumなどの記録がある。
渡りの観られる時期;秋9月下旬〜10月下旬
【声】「ケーケー」「キイキイ」「キッキッ」などと鳴く。

【名の由来】猛゚スピードで飛ぶことから、“速飛翼(ハヤトビツバサ)”が転じて“ハヤブサ”
○奈良時代から「ハヤブサ」の名で知られている。異名;「イハタカ」

◇馬見丘陵公園では、冬季稀に上空を飛翔しているところを観察することがある

2006/02  大阪  成鳥  左;♂ 右;♀  
ハシボソガラスよりもやや小さい。雌雄ほぼ同色。
成鳥;頭部から背、尾までの上面と翼上面は青黒色で、頭部は黒味が強い。眼から頬にはひげ状の黒斑がある。喉からの体下面は白色で、胸、脇からは黒褐色の細い横斑がある。蝋膜とアイリングは黄色で、虹彩は暗褐色。嘴は黒く、基部が青鉛色。
幼鳥;頭頂からの上面が褐色で、羽縁はバフ色。喉からの体下面はバフ白色で、黒褐色の細い縦斑や太いV字斑がある。
飛翔時;ハヤブサ類は翼先がほとんど分離せず尖って見え、尾は短く見える。
2010/10   愛知 2004/05  京都  幼鳥  体下面に縦斑あり
成鳥羽への換羽中かパッチワーク状の羽衣

亜種オオハヤブサ  F.p.pealei
2009/01   鹿児島
亜種ハヤブサに比し俗に云うハヤブサ斑が太く、頭巾をかぶったように見える。
体下面の斑も濃く、胸部に縦斑がある。