ハシブトガラス(スズメ目カラス科)嘴太鴉
Corvusコルウス カラス属-ギリシャ語でワタリガラス)
macrorhynchos(マクロリュンコス macros大きなryunchos鼻口部-嘴)

Large-billed(大きな嘴の) Crow(カラス)     L56.5cm

アフガニスタン・インド・ロシア極東南部・千島・サハリン・東南アジアに分布。
日本では、留鳥または漂鳥として小笠原諸島を除く全国に棲む。本来は森林にすむ南方系の鳥だが色々な場所に棲み、生息条件の悪いと思われる大都会のビル街や高山の山頂にもいて、様々な環境に生息する。林の中の高木の枝に巣をつくる。雑食性で何でも食べる。翼を斜めに上げ、鳴きながら浅い羽ばたきをする飛び方をする。高空をタカのようにソアリングすることもある。
日本には亜種ハシブトガラスC.m.japonensisの他に3亜種が分布する。(亜種オサハシブトガラスC.m.osai-八重山諸島、リュウキュウハシブトガラスC.m.connectens-宮古島以北の琉球諸島、亜種チョウセンハシブトガラスC.m.mandshuricus-対馬)
【声】「アーアー」「カァーカァー」など澄んだ声で鳴くが、濁った声も出し変化に富んでいる。争うときは「ガラララ」。

【名の由来】嘴が太い(ハシブト)の“カラス”の意。“カラス”は“黒し(クロシ)”から転じたものとか、“「カー」と鳴く「ス(鳥を意味する)」”とも。
○奈良時代からカラス類の種類を区別せず「カラス」と呼ばれてきた。室町時代に「ヤマガラス」の名で記され、江戸時代に区別して「ハシブトガラス」と呼ばれるようになる。異名;「ハシブト」

◇馬見丘陵公園では、留鳥として周年棲息し繁殖している。公園内にはねぐらはない。

2008/02/08    京都
雌雄同色。嘴は太く、上嘴は大きく湾曲し、基部には羽毛が生えている。額は盛り上がる。
成鳥;
全身黒色で、青紫色光沢があり、嘴と足は黒い。
幼鳥・若鳥;成鳥に比し、光沢があまりない。
2006/09/21  奈良  枯れ木に止まって鳴くハシブトガラス 2007/08/06  馬見  幼鳥
喉を膨らませ、頭を前に突き出すようにして鳴く 口の中が赤く、嘴の基部などにも赤味が目立つ

亜種オサハシブトガラス  C.m.osai 亜種リュウキュウハシブトガラス C.m.connectens
2009/03/20  石垣島 2010/04/18  奄美大島
八重山諸島に分布する。 宮古島以北の琉球諸島
亜種ハシブトガラスに比し体が小さく、ハシボソガラス大か、やや小さい。額もさほど盛り上がっていない。 亜種ハシブトガラスに比し嘴がやや細い。
近年個体数が減少している。