ハイイロチュウヒ(タカ目タカ科)
Circus(キルクス チュウヒ属-ギリシャ語でタカの一種 circus円を描いて飛ぶに由来)
cyaneus(キュアネウス 青色の)

Northern(北の) Harrier(チュウヒ-獲物を執拗に攻撃するもの)     L♂43cm ♀53cm   W98.5〜123.cm5

ヨーロッパ・アジア北部・北アメリカ北部で繁殖し、冬季は南方へ渡る。
日本では、亜種ハイイロチュウヒC.c.cyaneusが冬鳥として全国に渡来するが局地的で、個体数はチュウヒより少ない。特に雄の成鳥は少ない。平地から山地の草原、農耕地、芦原、干拓地に生息し、翼をV字型に保って、羽ばたきと滑翔(グライディング)を繰り返し、草や葦の上を低く飛ぶことが多い。停空飛翔(ホバリング)もよく行う。主に齧歯類などを捕食するが、小鳥類も捕食する。時に上昇気流にのって高く飛ぶことがあり、そのときは尾を広げている。
亜種ハイイロチュウヒの他、亜種キタアメリカハイイロチュウヒC.c.hudsoniusの記録がある。
【声】「ピイヨピイヨ」「ケッケッ」などと鳴く。

【名の由来】♂の色彩が灰色をしているので“灰色チュウヒ(ハイイロチュウヒ)”。“チュウヒ”は低く飛ぶので“中飛(チュウヒ)”。異名;「コシジロタカ」「ヲノウヘ」「オジロ」「シロツブリ」

2010/01   滋賀  ♂
ハシボソガラスと同大かやや小さい。(翼先分離数;5)
♂成鳥;頭部からの上面と顔から胸までが灰色で、体下面は白い。翼下面は外側初列風切が黒く、翼後縁は帯状に灰黒色。それ以外は白いため、飛翔時はコントラストがあり特徴的。
♀成鳥;全体に暗灰褐色で、頭頸部、腹に褐色の縦斑がある。眉斑と頬は白く、顔盤にそって白線がある。風切と尾は灰褐色で、明瞭な暗褐色の横帯が3〜5本ある。体下面はバフ色で、暗褐色の縦斑がある。
♀♂とも;上尾筒が白色で虹彩が黄色。
幼鳥;♀成鳥に酷似するが、上面がより暗色で体下面や下雨覆などは橙色味を帯びる。翼下面の横帯は不明瞭で、虹彩が暗褐色。
2010/02  滋賀  ♂ 2005/02   愛知  ♀
2010/01   滋賀  ♂ 2010/01  滋賀   ♀