ビンズイ(スズメ目セキレイ科)便追
Anthus(アントゥス タヒバリ属-ギリシャ語でセキレイ)
hodgsoni(ホジソンイ Hodgson氏 独・鳥学者)
Olive-backed(背面がオリーブ色の) Pipit(タヒバリ類-小鳥などの鳴声の擬声語) L15.5cm
奈良県レッドリスト 希少種
ウラル山脈以東のシベリア・ロシア極東・千島・サハリン・朝鮮半島・ヒマラヤで繁殖し、インドから東南アジア・フィリピン・台湾・日本で越冬する。
日本では、漂鳥または夏鳥として四国以北の山地、亜高山地の明るい林で繁殖し、北海道では平地でも繁殖する。繁殖地では木の梢や岩の上などで囀り、空中に舞い上がっては他の梢や岩の上に下りる動作をしながら囀りを続ける。冬は本州中部以南の温暖な地域へ移動し、平地でも見られる。松林に多く、群れになり、地上を歩いて松の種子などの餌をとる。警戒すると飛び立って横枝に止まり、尾を上下に振る。波形を描いて飛ぶ。
日本には、亜種ビンズイA.h.hodgsoniが繁殖するが、稀な冬鳥として亜種カラフトビンズイA.h.yunnanensisが少数渡来する。カラフトビンズイはビンズイに比し、背・肩羽の縦斑が淡く、上面が一様なオリーブ色に見え黒っぽさがない。
雌雄同色。
【声】地鳴きは「ヅィー、ヅィー」。夏には樹頂で「ツイツイチョイチョイ、ヅイヅイヅイ」など、複雑に囀りながらディスプレイフライトを行う。
【名の由来】“ビンビン・ツィーツィー”という囀りから“ビンツイ⇒ビンズイ”と転じた。
○江戸時代中期から「ビンズイ」の名で知られている。異名;「キヒバリ」「タニハヒ」
◇馬見丘陵公園では、冬鳥として渡来し、松木の下などで地上を歩きながら餌をとっている姿をよく観察する。渡り期に観察することもある。
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2010/12/15 馬見 地面で松の種子を拾って食べる |
雌雄同色。
成鳥;頭部から尾までの上面が緑褐色。頭部には黒褐色の細かい縦斑があり、頭側線の縦斑は太い。眉斑は眼先がバフ色で、眼の上から後方は白く、はっきりしている。暗色で細い過眼線がある。耳羽後方の淡色斑の下には暗色斑がある。上面の暗色の縦斑は不明瞭。初列風切の突出は比較的顕著。体下面は白く、胸から脇はやや黄色味を帯びたバフ色で、明瞭な黒褐色の縦斑がある。最外側尾羽の外弁は白い。後趾の爪は短い。 |
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2011/04/06 馬見 冬→夏羽(緑色味が弱くなる) |
2014/08/02 長野 亜高山地で繁殖する |