ベニマシコ(スズメ目アトリ科)紅猿子
Uragus(ウラグス ベニマシコ属-ギリシャ語で後衛隊長)
sibiricus(シビリクス シベリアに属する)

Long-tailed(長い尾の) Rosefinch(ばら色のヒワ)     L15cm

中央シベリア南部・モンゴル北部・中国東北部及び中部・ウスリー・サハリンで繁殖する。
日本では、夏鳥として北海道と下北半島で繁殖する。秋冬には本州以南の低地から山地に渡るが、北海道でも少数は越冬する。平地から低山の低木林や川岸、湖畔の葦原や草原にいる。小さな群れをよくつくる。短めの翼を早く羽ばたき、波形を描いて飛ぶ。おもに植物の種子をよく食べる。
【声】「チュル チイ チョッ チイ」とホオジロに似た声で囀る。地鳴きは「ピッポ」「フィッホ」。

【名の由来】“マシコ”は羽色が赤いことから“猿子(マシコ)”で、ベニマシコ・オオマシコなどの鎌倉時代からの古名。
○鎌倉時代からマシコ類を区別せず「マシコ」と呼ばれ、特に雄は「テリマシコ」と呼ばれていた。江戸時代中期から区別して「ベニマシコ」「テリマシコ」「サルマシコ」「コマシコ」の名で呼ばれるようになった。

◇馬見丘陵公園では、冬期に葦原や林縁の草地で稀に観察される。よくセイタカアワダチソウの実を食べている。

2006/02/04  馬見 ♂  冬→夏羽   
尾が長く、嘴が丸く小さい。
♂夏羽;全体が紅色で、前頭から後頭は白っぽく、黒褐色の縦斑がある。眼の後方や頬、喉は白っぽく、背には黒褐色の縦斑がある。翼は黒褐色で、大・中雨覆の羽先は白く、2本の翼帯になり、各羽の羽縁も白い。腰は紅色。尾は黒っぽく外側尾羽の大部分は白色。腹からの体下面は白い。嘴は肉色で、足は赤肉色。
♀夏羽;全体に淡いバフ色で、頭部から背、喉から胸、脇にかけて黒褐色の縦斑がある。
冬羽;♀♂とも夏羽より淡色になり、三列風切外弁の白色部は広くなる。♂は頭部から背、顔に褐色味を帯び、♀は翼の羽縁や翼帯がバフ色。
第1回冬羽;♀に似ているが、嘴基部の回りと胸から腹にかけて紅色味がある。
2005/02/11  奈良  ♀ 2009/01/20  馬見  ♂冬羽
セイタカアワダチソウの実を好んで食べる