アトリ(スズメ目アトリ科)花鶏
Fringilla(フリンギッラ アトリ属-ラテン語でズアオアトリ)
montifringilla(モンティフリンギッラ 山のアトリ属)
Brambling(キイチゴに棲む鳥) L16cm
スカンジナビアからカムチャッカ・サハリンにかけての亜寒帯で繁殖し、北アフリカ・ヨーロッパから小アジア・中央アジア・ロシア沿海地方・朝鮮半島・中国で越冬する。
日本には冬鳥として全国に渡来し、平地から山地の林、農耕地、草地などに生息する。秋には数羽から数百羽の群れを作って山地の林で木の実を食べることが多いが、春には広い農耕地に出現し、地上でホッピングしながら草の種子や穀類を食べる。年により大群が渡来することがあり、数万羽もの群れを観察することもある。波型を描いて飛ぶ。
【声】地鳴きは「チュ−ン」「キョキョキョ(飛ぶとき)」。
【名の由来】大群をなす習性から“集鳥(アツトリ)”⇒“アトリ”となった。
○奈良時代から「アトリ」の名で知られ、室町時代から「アットリ」とも呼ばれた。異名;「ウスヒキドリ」「オホメドリ」「ハナトリ」
◇馬見丘陵公園では、冬鳥として渡来した小さな群れが、時々観察できる。特に渡り期に見ることが多い。
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2006/11/18 馬見丘陵公園 20羽羽ほどの群れが飛来する |
♂夏羽;頭部、顔から背にかけて黒く、喉と胸は橙色。翼は黒く、中・小雨覆は橙色。中雨覆の羽先は白く、大雨覆の羽先は橙色で、翼帯になる。初列風切基部の一部は白い。飛翔時は白い腰が目立つ。腹からの体下面は白く、脇には黒斑がある。尾は黒褐色で凹尾。嘴は淡黄色で、先端が黒い。足は黄肉色。
♀夏羽;額から後頸にかけては褐色で、顔は灰褐色。側頸からの灰色は後頭近くまである。背は褐色の縦斑があり、脇の斑も褐色。その他は♂に似るがより淡色。
冬羽;♂♀ともに淡色になる。♂の頭部や顔、背は橙色味を帯びる。♀では黒褐色の頭側線が後頸まで続く。 |
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2008/11/29 奈良 ♀♂ ナンキンハゼの実を啄ばむ |
2004/05/01 馬見 ♂夏羽 |
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2007/01/09 奈良 地面で採餌する |
2009/01/25 鹿児島 電線に群れとまる |
20羽ほどの群れが樹氷の杉の実を啄ばむ |
数えきれない大きな群で飛び交う |