アオジ(スズメ目ホオジロ科)青鵐
Emberiza(エンベリーザ ホオジロ属-古ドイツ語でホオジロ)
spodocephala(スポドケパラ spodiacus灰色のkephale頭)
Black-faced(黒い顔の) Bunting(ホオジロ類) L16cm
奈良県レッドリスト 絶滅危惧種(奈良県での繁殖地として)
アルタイ山脈西部からオホーツク海沿岸南部・南千島・アムール・サハリン・中国北東部・モンゴル・朝鮮半島北部・中国南西部で繁殖し、冬季は、台湾・中国南部・インドシナ北部・ブータン・ネパールへ渡る。
日本では、亜種アオジE.s.personataが留鳥または漂鳥として本州中部以北の山地の林で繁殖する。地上近くに枯葉でお椀型の巣をつくる。冬期には暖地へ移動するほか、大陸から冬鳥として渡来し、平地や丘陵地の暗い木陰の地上で餌をとる。北海道では夏鳥として渡来し平地でも繁殖する。
亜種アオジの他、春秋の渡り期には亜種シベリアアオジE.s.spodocephalaがおもに日本海側や九州以西を通過する。
【声】藪を好むが囀る時は木の枝先などにとまり「チョッピーチョッ、チチクイチリリ」とゆっくりしたテンポで囀る。地鳴きは少し濁った声で「ツッ」(カシラダカより強く鳴く)。
【名の由来】緑がかった体の色から“青”、ホオジロ科の鳥の古名シトト(ジトとともいう)から、“アオジトと⇒アオジ”となった。“シトト”の語源は不明であるが、鳴き声から来たと言うのが穏当であろうと書かれている。
○奈良時代からホオジロと区分されず「シトト」の名で知られていた。室町時代から区別して「アヲジトト」と呼ばれるようになり、江戸時代になって「アオジ」と略される。異名;「キアヲジトト」「キアヲジ」「ヤマシトト」
◇馬見丘陵公園では、冬鳥として渡来し林縁の地上などで餌を探している姿をよく見かける。3月中旬頃にはオスの囀が聞かれることがある。
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2007/06/09 長野 ♂夏羽 繁殖地で枝にとまり「チョッピーチョッ、チチクイチリリ」と囀る | ||
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2008/12/21 馬見 ♂冬羽 | 2007/01/10 馬見 左;♀ 右;♂ | |
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亜種シベリアアオジ E.s.spodocephala | ||
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2010/04/18 奄美大島 ♂ | ||
♂♀とも頭部に緑色味がなく、体下面の黄色味も淡い。♂成鳥は胸から上が黒灰色。 |