2004.3.20 奈良新聞

国宝に藤ノ木古墳の副葬品-黒塚の鏡など重文に

 文化庁の文化審議会は19日、国宝に藤ノ木古墳(斑鳩町)の副葬品など4件、重要文化財に黒塚古墳(天理市)の出土品など46件を、それぞれ指定するよう河村建夫文部科学相に答申した。このうち県関係の文化財は国宝1件、重要文化財7件で、例年の計2、3件に比べ、多さが目立つ答申となった。県内の国宝・重要文化財は1165件となる。

 黒塚古墳出土品は、平成9-10年の発掘調査で出土した三角縁神獣鏡や画文帯神獣鏡などの34面の銅鏡のほか、刀剣や槍などの武器類、槍鉋(やりがんな)などの工具類、鉄鏃(てつぞく)などの副葬品を一括して指定。銅鏡には、ほかの古墳から出土した銅鏡と同じ型からつくられたものもあり、被葬者の勢力関係が推測できるほか、古墳時代前期の首長墓の葬送儀礼の実態を示す貴重な資料という。

 藤ノ木古墳出土品は、斑鳩町の古墳時代前期の円墳から出土した副葬品で、昭和63年に国の重要文化財に指定。動物の意匠やガラス象嵌(ぞうがん)が施された金銅装鞍金具などの馬具類、金銅製の冠や沓(くつ)、銀製塗金空(うつろ)丸玉やガラス小玉などの玉類などおびただしい量の副葬品が出土しており、当時の古墳副葬品の実態を考える上で欠かすことができない資料という。

 県内関係ではこのほか、法隆寺(斑鳩町)の絹本著色(けんぽんちゃくしょく)法華曼荼羅(まんだら)図と絹本著色星曼荼羅図、西大寺(奈良市)の金銅密教法具、手向山八幡宮(奈良市)の彩絵(さいえ)鼓銅、奈良国立博物館(奈良市)保管の絹本著色日吉山王(ひえさんのう)宮曼荼羅図を新たに重要文化財に指定し、同博物館保管で重要美術品の紙本白描不動明王図像を重要文化財に指定することが答申された。

(2004.3.20 奈良新聞)