宝蔵院覚禅房法印胤栄
ほうぞういん かくぜんぼう ほういん いんえい

宝蔵院覚禅房法印胤栄

突けば鎗 うてば鳶口 ひけば鎌 何につけても のがれざらまじ


南都の僧なり、刀槍の術を好みて、上泉(かみいづみ)伊勢守に就て是を学び、そのわざに達しける。ここに大膳太夫盛忠(だいぜんだいふもりただ)といふもの槍法に通じければ、胤栄これを駐(とど)め、師として日夜励獅ン習ひけるが、竟(つひ)に其妙を得たり。然るに熟(つらつら)おもへらく、われ釈門の徒にして武術を学ばんは、本意にあらず、わがなき後といへども寺中に武器あらば、またこれを好むものあるべし、ぶきのなからんにはとて、寺中に収むるところの武器を、悉(ことごと)く中村某といふものに与えたり、慶長年中、八十七歳にして没す。

武稽百人一首(笠亭仙果編)

連載 宝蔵院流槍術「宝蔵院覚禅房法印胤栄」


   
2009/ 5/ 8
2003/02/11