韓国で日流ブーム
バラエティ・ジャパン 2007/11/26

 韓国映画界で2007年に公開された韓国映画は、日本の原作ものや邦画のリメイクが著しく増えたことが、先に行われた第1回韓国映画発展フォーラムで報告された。
 日本映画界での韓流“ブーム”は風前の灯となったが、韓国映画界では、ときならぬ“日流ブーム”が起こっているようだ。

 報告によると、2001年から05年までは、日本の原作を映画化した作品は5本に過ぎなかったが、06年からは一気に21本ほどに増えたという。今年は、『カンナさん大成功です!』『覆面ダルホ』『黒い家』『正しく生きよう』『クォン・スンブン女史拉致事件』『肩ごしの恋人』『ブラボー!マイライフ』などが並んだ。
 ちなみに、『覆面〜』は滝田洋二郎監督の『シャランQの演歌の花道』、『クォン・スンブン〜』は天籐真原作で岡本喜八監督の『大誘拐』、『ブラボー〜』は市川準監督の『会社物語』が、それぞれ下敷きになっている。

 こうした背景としては、ここ数年、韓国の若者層中心に蔓延した日本のライト小説人気と、韓国人のコメディ好きがあるという。それに加えて、「韓国映画は従来、オリジナル作品が多かったのですが、ここ数年は企画不足もあり、いいオリジナルものが生まれにくくなってきました。それで目を付けたのが、ドラマがしっかりしている日本の原作の映画化やリメイクだったのです」(韓国映画事情に詳しい配給会社の買い付け担当者)。

 米映画のリメイクブームも、根本にあるのは企画不足と言われているが、事情は韓国映画も同じらしい。韓国では、これに日本小説人気が加わるから、手っ取り早いところで日本ものが使われるのだろう。現在韓国でヒット中の『正しく生きよう』は、萩庭貞明監督の『遊びの時間は終らない』のリメイク。すでに動員220万人を超えた。ただし、日本での配給先は決まっていないという。韓国映画界における“日流ブーム”は今のところ、日本ではあまり関係ないらしい。