邦画興行1000億円超も、21年ぶり洋画抜く
2006年12月26日 読売新聞

 2006年の日本映画の興行収入(興収)が、1985年以来、21年ぶりに外国映画を上回る見通しとなったことが22日、明らかになった。

 日本映画製作者連盟のまとめによると、11月までの邦画、洋画を合わせた興収は約1749億円。このうち、邦画は935億円で、全興収の53%に達した。12月も1日公開の「武士の一分」が、これまでに17億円以上の興収を記録するなど堅調に推移。邦画の興収は昨年の817億円を大きく上回り、1000億円を超えそうな勢いだ。

 邦画の比率は、黄金期といわれた50年代後半は70%台で推移していたが、60年の78・3%をピークに低落傾向に入った。75年に初めて50%を割り込み、02年には27・1%にまで落ち込んだ。

 しかし、03年から上昇に転じ、05年には「ハウルの動く城」が196億円を記録して41・3%に。今年は前半から好調で、「ゲド戦記」(77億円)など6作品が興収50億円を超えた。

 邦画が洋画を上回った背景としては、テレビ局など複数の企業が製作資金を出すシステムの定着や、若手の監督、俳優の台頭などが考えられる。リメークの増加など企画の貧困が、ハリウッド映画離れを招いたと指摘する声もある。