007 The World is Not Enough

11月19日99年に公開された、007 第19作。ブロスナン主演としては3作目です。
1号007ショーン・コネリーの力と、2号007ロジャー・ムーアの技の両方を合わせ持つとまでいかなくても、二人の中間くらいの魅力を持つ、ジェームズ・ボンドV3とでも言いたくなる、ブロスナンのボンドです(あえて、二人ほど無視)。
ブロスナン3作目ということで、Mと情報部秘書のミス・マニーペニーなどは、前2作から引き継がれています。また、ボンド以上に不死身の存在、ガジェット・マスターQは、これが17作目のボンド映画です(83歳だそうです)。注目のボンド・ガールは、キング財閥を殺された父に代わって率いる令嬢エレクトラをソフィー・マルソーが演じ、ナイスなボディ・ラインを魅せてくれました。もう一人、デニス・リチャーズが演じる、核兵器の専門家・ジョーンズ博士も、スクリーンにナイス・ボディで登場します。
ストーリーは、キング財閥が中央アジアに建設する石油パイプが狙われ、旧ソ連の核物質がテロリストに流れる中、ボンドがスペイン、中央アジア、そして懐かしのトルコへと飛びます。妖婦の雰囲気を漂わせるソフィー・マルソーがいい。おなじみのオープニングアクションは、水上の見ごたえあるものです。ボンド・カーは、前作同様 BMW です。中盤の見せ場では、ルパン三世に影響を受けたと思われる映像が実写で見られます。ジェームズ・ボンドが使うクレジットカードが VISA なのも、しっかり写っています。また、ロバート・カーライル演じる敵役は、脳に弾丸を受けて痛みを感じない、マッドなテロリストです。元 KGB のエージェントらしいカジノのボスが、コメディ・リリーフの役を演じています。ウィットに富んだコミカルな会話は、今回も引き継がれています。
冷戦が終了し、スター・ウォーズなど、CG を駆使した SF 大作が量産される中でも、ブロスナンなど魅力のある役者を配して、丁寧に組んだセットの中でアクションを行えば、見ごたえのある大人の娯楽映画を作ることができることを示していると思います。この秋公開のアメリカ映画の中で、一押し。ただ、2週目に入ったポケモンに興行収入で負けると悲しい。「タイタニック」と同日公開になった前作に比べれば、ジャンルが違う分、気が楽でしょう。
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