Blair Witch Project
公開と同時にメディアから絶賛されたホラー映画。
1994年10月(ハロウィーンの時期)に、3人の映画学校の学生が自主映画を作るためにメリーランドの森に入って消息をたちます。1年後に足跡が見つかり、残ったビデオを編集した、という形をとっています。したがって、映像は3人がハンドカメラで撮ったテープを編集したものです。スタンダードサイズで、時にカラー、時に白黒。この白黒の映像は恐さを引き立てます。
「ブレア・ウイッチ」というのは、学生たちが撮影旅行に行った町に伝わる伝説のようです。「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」というのも、この伝説に基づいて学生たちが制作しようとした映画のタイトルです。3人が森の中で道に迷い、しだいにさまざまな奇妙なできごとに出会います。3人の間のドラマも、奇怪な現象も、全て学生が撮ったビデオの映像のみで説明されます。カメラには写ってこないブレア・ウイッチ、カメラを通してしか見えない観客には、情報が少ないことによって恐さが生まれます。夜の森を白黒カメラで写した映像は、何も写らないだけに恐いです。道に迷った上に、いろいろ奇怪な現象に出会っても、撮影を止めて機材を捨てられないのが映画学生の性でしょうか。
言い尽くされた言葉ですが、大会社が失ったものを(たぶん)小資本で作ったこの映画が見つけてきました。自主映画で見られるような自己満足に陥ることなく、ホラー映画の新しいフォーマット(全く新しい、というわけではないけど)を示したと言えるでしょう。今後、この映画の影響を受けた作品、あるいはパロディー作品が多く作られることでしょう。見る前に、あまり映画関係の雑誌で批評記事を読まないことをお薦めします。期待が大きすぎて、かえって失望するという結果になるかもしれません。映像そのものは恐くないですので、ドキュメンタリーのように進む部分を退屈と思うかもしれません(上映時間は長くないです)。また、ドラマティックな音楽を避けていますので、音楽的には印象が残りませんでした。私は絵的に恐さを見せるより、演出で恐さを示すほうが正統と思うので、その意味でこの映画を買いたいと思います。
(余談)Blair Witch Project の予告編をパロった CM を見ました。予告編では主人公が恐さと後悔で泣いているのですが、この CM では、たまねぎを切って泣いてます(おそまつ)。
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