No.1においては、柱の持ち上がり変位2.5mm〜5mmのとき直線的に梁が持ち上がったと考えた場合、測定値が直線算定値の1.5倍ほどあり、変位10mmを超えては測定値と直線算定値の差がますます大きくなる。
弾性域を越えてからは直線的な持ち上がり方で負担面積をモデル化してしまうと、柱カウンターウェイトは少なく算定してしまうので、弾性域を超えていると推測される変位10mm以上は曲線的な面積算定をする必要がある。
柱の持ち上がり変位2.5mm〜5mmの場合における1.5倍の誤差については、変位計3の変位=0ということから、柱の持ち上がり長さに比例してX方向梁もY方向梁も持ち上がると仮定して、柱の持ち上がり変位10mmのときの梁の持ち上がり長さからそれぞれ1/4倍、1/2倍して、変位2.5mm〜5mmについても梁の持ち上がり長さを求めていることも影響していると考えられる。
(NO.2の測定地点の測定結果をみると、ここで仮定したように柱の持ち上がり長さと梁の持ち上がり長さは必ずしも比例していないのであるが、この実験結果のみにて推測することは困難であったので、仮定として上記にように算定値を求めた。)
No.2においても柱の持ち上がり変位2.5mm〜5mmのとき梁が直線的に持ち上がったとして負担面積を算定した場合、直線算定値と測定値がかなり近い値となっている。
10mmを超えた場合も同じく、梁が3次曲線的に持ち上がると考えた算定値と測定値が近くなっている。
No.1,No.2の計測地点では、ベランダのコンクリート版厚が大きくコンクリート床版全体で浮き上がりに対して抵抗しようとするので、柱カウンターウェイトの負担面積はベランダ床面積の範囲内で考えられ、それ以上は広がらないと考えられる。
柱の持ち上がり変位が2.5mm〜5mmでは、柱カウンターウェイトの測定値の変化が大きく、算定した負担面積は浮き上がり変位に比例している。
ただし、X方向梁の持ち上がった長さ・Y方向梁の持ち上がった長さは浮き上がり変位には比例せず、壁の配置などが影響していると考えられる。