現地調査で得られた情報及び参考資料に基づき、諸条件を下記にまとめる。
目視調査では、地盤の際立った不具合は特に見当たらなかったが、檀家関係者からの証言(水にまつわる地名が多いことや、近隣のボーリングデータ)や地形的(大和川に近い)に判断すると地盤の種類は「やや悪い地盤」と分類されるが、同じくその証言によると基礎下部には松杭が施工されているので地盤改良されているものとし、「普通の地盤」とした。
T-表3.3.2より Rg = 1.0
基礎の形式については、3-3.調査写真・内容及び3-4.原設計と現状の相違点で述べたような結果(写真33・34・40・45・46)であったので「ひび割れのあるコンクリート布基礎」と分類され、地盤の分類との組み合わせると下記値になる。
T-表3.3.3より Rb = 0.7
建築基準法(施行令)告示代1793号第1に従い算出すると、建物物の高さが13m以下なので地盤種別によらず、下記値になる。
Rt =1.0
柱の断面の一辺が15cm以上なので、「社寺建築の伝統構法」に該当し、一般の住宅の在来軸組構法と、建物重量や耐力要素が異なる。但し調査結果から判断すると、建物重量については伝統構法に準じるが、耐力要素の土壁については(写真35・36・58・61・64・69)の状態から判断すると、一般的な伝統構法による土塗り壁に比べて性能が落ちるので、一般的住宅の土塗り壁の耐力要素とする。
T-3.5.3建物調査(c):伝統構法
外壁の壁外面に局所的なひび割れ(写真65・66・69)があり、1階柱の各方向の層間変位(1/100)以上を超えているので、下記値になる。
T-表3.6.1より Rd = 0.9