大阪周辺地域では、震源から少し遠くなり、地盤条件も異なることから、地震動も様相を異にし、次のような特徴を示す。
大阪市地域で観測され地動の最大加速度は、50ガル程度から270ガル程度まで幅広く分布し、気象庁の震度階で震度5以上に相当する地動を受けた地域も多く分布している。
短周期以外に4〜5秒にも卓越周期がみられるものが多い。この理由としては震源からの距離が長いことに基づく表面波の影響や観測地点が埋立地あるいは沖積層が厚く堆積した場所であることに基づく堆積層表面波などの影響のよるものと考えられる。
上下動に関しては、最大302ガルが観測されており、阪神間と同様に水平動より大きな値を示す場所も多くみられる。
震源近くでの記録波形の継続時間はおおむね10秒程で治まっているのに対し、大阪地区で観測された波形は、比較的大きな揺れが長い時間続いたことを示している。特に大阪湾岸の埋立地においては、主要動がおさまった後も長周期成分が残った形で数10秒にわたり振動が続いている。
次ページに大阪市域における観測地震動を示す。