M邸新築工事

2009年 9月
意匠設計ノアノア空間工房
構造設計木構造建築研究所 田原 (担当:村田)
施工者 江中建設株式会社

東京都墨田区に建つ木造3階建。

この計画は東京の女性建築家ノアノア空間工房の大塚さんが提案した計画に対して協力したものである。

東京都内での木造3階建で、このような形の木造3階建は2007年の法改正以後の「確認の厳格化」ではなかなか難しかったといえる。

この確認審査においても変な意味での厳格化があり、木構造の審査能力のない人が少し難易度の高いものを審査した場合、構造設計の内容を理解するというよりも教えてもらいながら勉強して理解するといった感じではあったが、何とか出来上がったものである。

玄関のアプローチには建物の中に入っていくための洞窟のような入り口となる門のような壁がユニークな形で配置されており、その隣には約1.9mの持ち出し部分があり、ガラスブロックで2階の目隠しとなるガラスブロックを受けている。

これら全てが木造で構成されていることは見た限りでは分からないであろうと思われる。


このアーチ状となった門は玄関へと続くアプローチであり、それが1階の室内にも続いている。

計画当初の打ち合わせでは構造的には違和感があったが、出来上がってみるとその意図が理解でき、狭小間口における室内へと導くファサードとしてはかなり面白い空間となっている。


1階から2階にあがると、まず目に付くのは道路面に面した全開口の部屋であり、大きな一つの部屋で開放的な空間となっている。

こういった狭小間口では短辺方向の道路面に対して前面開口はなかなか取れないが、構造的に工夫することにより可能となったものである。


2階部分より3階ロフト部分を見る。

このロフトは多目的に使うもので、ロフトは一見片持ちスラブのように見えるが、木造で、写真では見にくいが、先端のコーナー部には、屋根よりの吊りボルトが設置されており、ロフトの床梁を吊っているものである。


 ©Tahara Architect & Associates, 2010