意匠設計 | : | 建綜研 |
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構造設計 | : | 木構造建築研究所 田原(担当: 中尾) |
施工者 | : | ヤマト工業 |
明治頃建てられた、お寺の方丈の耐震補強です。数奇屋の影響か、規模、階高から考えると非常に細い柱で建てられていて、壁も少ない建物です。
見栄え上、建物の正面側の補強がしにくいため、建物の裏側と、内部の控え室として使っている部分を壁で補強しました。
下屋部分は、本堂大屋根(写真撮影者側)からの落雪による湿気などにより、損傷がひどかったため、基礎を立ち上げて湿気対策をした上で、補強を行っています。
正面側は改修できる部分が限られていましたが、手洗いの横の窓に面格子を入れるのと、縁側を挟んだ控え室の部分に壁を設けて補強しています。。
壁は構造用合板を真壁に貼っています。
客間側は、長押、鴨居(裏側をカット)をそのままにしてしているので、新設の柱の色が落ち着けば違和感はなくなると思います。
小屋組は、庇を支える跳ね木があるために、雲すじかいや通し貫などの振れ止めが設けられていない状態でした。
そのため、無骨ではありますが、鉄筋ブレースを設置して補強しました。
正面からの様子です(この写真は改修前のものです。)。
この外観を維持したままで、補強を行いました。