この建物は正面側を一部2層吹抜けの店舗として利用しており、正面側は1・2階が連続したグラスエリアになっています。
このようなデザインだと風圧の処理が問題となりますが、今回の場合、2階への通路の一部としてキャットウォーク的な廊下が設けられているので、これを耐風梁としても利用しています。
建物の内部で、店舗上部に2階の一部がせり出していて、この部分を支える梁のスパンが大きくなっています。
店舗と住居の境界は無開口壁になるので、この部分を合成梁(合板貼りBOX梁)にして、約11.0mの大スパンを柱無しで構成しています。
通常であれば、このような大スパンであれば鉄骨か集成材で構成する規模ですが、今回の構造材は米松の30cmの4m材を継手を設けて構成しその継手は通常のZマーク金物で対応しているため、非常に経済的な構造体となっています。
なお、工事中におけるサポートをはずして、積載荷重をかけた上で計測した結果、たわみはわずか1mm程度でした。
写真は、合成梁施工完了時の写真です。建物奥側から撮影しています。