No.58 S教会

2007年8月
スパン9mの木造2階建を1尺材で構成
意匠設計一粒社ヴォーリズ建築事務所
構造設計木構造建築研究所 田原(担当: 村田)
施工者 藤木工務店


この教会は建替えにあたり、コストダウンを図る目的で木造の依頼となりました。通常このような規模であればS造かRC造もしくは大断面集成材で建築されています。

米松一尺サイズの梁を合掌梁とし、中間部に水平材を配置、合掌材との接合部に工夫を施し、タイバー的要素として設計しました。木材の可能性を引き出す伝統的な組み技と構造設計との融合を図っています。



 

  

この塔屋は最高の高さ14.1mで、全て木造在来構法で組みあがったものです。

先端の屋根が四角錘形状となっており、四隅の隅木が集まる頂部は十字架が取り付くため、かなり複雑な形となっています。奈良県吉野地域の大工職人がその技術を発揮し出来ました。


この製材による合掌梁は、集成材による合掌梁に比べ、梁成が約半分程度となっています。少しの加工ミスがたわみ等の変位の増大となる恐れがあるのですが、非常に腕の良い大工棟梁によりこのようなことができました。その優れた大工棟梁を紹介します。→心に残った大工棟梁達(6)


 ©Tahara Architect & Associates, 2008