No.54 T地区公民館

2007年5月
積雪1.5mの地域でスパン9.5mを小径材の組み合わせで実現
意匠設計森本設計
構造設計木構造建築研究所 田原(担当: 村田)
施工者 川嶋建設

公民館は瓦葺屋根でこの地域は積雪1.5mに及びます。

無積雪時等級3以上、積雪時等級1の耐震性能です。

貫をうまく使って金物だけに頼らない構法としています。

このホールはスパンが9.5mあります。積雪も考慮すると、大断面集成材で60cm以上が必要となるところです。そこで当方で構造的な工夫を施し、小断面による木組みにより実現させました。

また地元の杉や桧を8割程度使用し、兵庫県北部産材の可能性を引き出した設計です。性能を発揮するためには、地元大工職人の技術が大いに活躍されました。


小屋組の架構は、地元の杉4寸角を下弦材と中間材に配置し、最上部を8寸の材で3段のクロス合掌で構成しています。完成後にたわみ量を計測したところ、わずか1〜2mm程度(約1/5000)でした。


小屋組は外壁のバットレスと接合されて一体となり、建物を支えています。


 ©Tahara Architect & Associates, 2008