湯田温泉の足湯施設新築工事
(湯田温泉観光回遊拠点施設『狐の足あと』内 足湯の上屋)

2015年3月
某温泉の足湯の上屋として設けられた木造立体フレーム
日本建築学会 中国支部 中国建築文化賞受賞
意匠設計光井純アンドアソシエイツ建築設計事務所
構造設計木構造建築研究所 田原(担当: 村田) ※実施設計のみ
施工者 鴻城土建

温泉の足湯の上屋として計画された上屋で、下図の基本フレームを左右もしくは上下に回転させた3ユニットの組合せで構成されている。


ユニットあたり一本、計三本の柱で建物を支持するため、立体フレームとして計画している。


フレームモデル図

フレーム材は桧(一部米松)表しで、足湯の湯気により湿潤状態になると思われるので、それを考慮した構造検討を行っている



柱脚は基礎にDボルトで緊結している。

接合部は引きボルト又はホームコネクターを使用し、金物の露出箇所が少なくなるように配慮した。

屋根及び脚部は三角形を組み合わせた折板状とし、構造用合板下地を釘打ちして面剛性を確保している。


これらの配慮により今日的な木造形式における「総持ち効果(力の分散化)」を発揮させ、想定外な応力に対しても安全な破壊形式となるよう配慮した。

本建物は普通ならば鉄骨造で設計するような形状であるが、構造設計及び現代的規矩術(設計から施工まで運用されるCAD技術+材料選定の目利き技術+墨付け手刻み技術)によって木造化が可能となった。



これら手法によって地元国産材の利用拡大と、今後の木造の可能性としてより自由度の高い用・強・美を備えた建築につながると思われる。


 ©Tahara Architect & Associates, 2021