一見、鉄筋コンクリート造?と思わせるようなきれいに作り出された曲面壁。
これは木造軸組工法の応用でどこまで可能性が広がるかという挑戦でもある。
薄く長い板材は持ち上げると、自然な曲率によるたわみが生じる。
日本の伝統的な樽や桶の一部に利用されるこの木材の特性を、R状の壁と梁に応用している。
上左の写真は、R梁の試作品。
複雑なR部分の施工ではあるが、R梁の垂直を出して、しっかり仮筋かいを全体的にバランスよく入れ、ねじれのないようにすることは建て方時における難関でもあった。
接合部分で最も重要な1つであるR梁と水平構面・横架材との仕口は、現代的な技術として2×4用の梁受け金物を応用した金物を設置し、ドリフトピンにより接合を行なった。
以上のような伝統的な技術や現代的な工法の工夫で、木材の有効利用度を広げた。