阪神淡路大震災で被害を受けた佛眼寺の鐘楼が、2年後の風雨により倒壊したことにより、もとの場所に新築することになった。
再建にあたっては、耐震性の確保、市の指定文化財である鐘の防犯といった要求をみたすものとして、田原建築設計より提案した面格子耐力壁が採用された。
対角線に面格子を配置し、耐力壁として機能させつつ、デザインとして音の広がりのイメージも表現している。
また、中央の鐘を守る防犯扉は、耐力壁とデザインを統一した格子戸として、違和感のない様にしている。
この面格子耐力壁は、日本住宅・木材技術センターの事業の一環として性能検証試験を行なって、耐力・靭性ともに良好な性能をもつことを確認している。
97年には建築学会でその結果を発表している。