意匠設計 | : | 本間設計 |
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構造設計 | : | 木構造建築研究所 田原(担当: 村田) |
施工者 | : | 寺谷組 |
96年5月の校舎に続いて、老朽化した体育館を、木造で改築した。
この工事においても、単年度事業であり、杉の産地ではあるが、すぐにこれだけのまとまった材料が、杉で入手できなく、柱及び梁は米松で、水平抵抗は貫筋かいと構造用合板による鉛直構面で処理した。
また、屋根面も同様とした。
スパン16メートルの大空間を構成する梁は、3本重ねにした持ち送りの合掌梁を構成し、その梁同士が伝統的なダボによるせん断抵抗により、一体化となり、さらに中央のウェブ面には、面格子による耐力要素を配置した。
長期で約400kg/uの積雪1.7mを見込みながら、最大たわみ量は、約2.0/1000である。
短期(地震時)では、積雪1.7mを見込みながら、ベースシア0.3以上を確保している。
このような大空間を構成する梁は、通常ならば鉄骨か集成材または無骨なトラスとなるのが普通であるが、木造を専門とする構造設計者である、当事務所のこの合成梁のデザインが採用され、建設に至ったのである。
これは、構造デザイン=意匠デザインとなるのであり、いかに構造デザインが重要なポイントを占めるか、よく分かる事例である。