伝統構法である貫構造を現代的にアレンジした木造3階建て(法規的には小屋裏利用の2階建てである)。
貫間には木セン板を挟み込み、土壁塗りと同じような断熱材として働くことも期待している。
貫だけでは耐力が不足する為、面格子耐力壁も一部で採用している。
また床面は、杉板60×180を用い、流しダボ(連続ダボを床板と梁に打ち)とコーススレッドビスを用いて、床面の剛性を確保している。
なお、法規上有効なのは、建物外周に最低限配置した、構造用合板である。
このような貫構造を実際に安全に使えるようにするのは、木造を専門とする構造家がいてはじめて出来るのであり、意匠デザイナーだけで作られているように思われがちであるが、構造技術者が構造デザインや構造性能を考えているからであり、この住宅が建てられたのも、当事務所が参加してはじめて出来上がったものである。