建設地 | : | 兵庫県明石市大久保 |
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監修 | : | 明石高専建築学科 八木 雅夫 |
意匠設計 | : | 神谷昭雄建築研究室 |
構造設計 | : | 木構造建築研究所 田原 |
施工者 | : | 川島工務店 |
日本の古民家の多くは、地震に対して強いとは言いきれない。
特に、西日本では、その気候(夏の蒸し暑さ)ゆえに開放的な空間で、構造上有効な耐力壁の少ない建物が多い。
また、2階建では大抵の場合、1階が縁側として下屋になっており、上下階の壁位置が一致していないという問題がある。
これらの問題点は、U邸についてもあてはまり、兵庫県南部地震において、大被害を引き起こした。
被災した直後の写真では、田の字平面の和室と広縁の境(2階外壁位置)で大変形が生じて、直交の壁面が崩落し小舞が見えているのが確認できる。
改修工事では、変形の抑制・重量の伝達を行なう為の耐力壁補強・増設を行なうと共に、付随してRC基礎の設置、各接合部の緊結等の処置を行なったものである。
また、屋根を土葺き瓦から桟瓦として軽量化を図った。
改修後の平面図で、北側袖壁(赤色で塗った部分)を設けた理由には、意匠設計者から「なるべく現状を変えないでほしい」という要望があったため、縁側に接する部屋の前面には壁(耐力要素)を設置せずに、外部に袖壁を設置することとした。
しかし、壁を強力にすると、地震等の外力を受けたときに、壁自身が回転(剛体回転)をしようとするため、基礎でその回転力を止める必要が出てくる。
本建物では、基礎のコンクリート(約4t)をおもりにすることで、壁の回転力を抑えることとし、また、柱脚部にも大きな引抜力が発生するためそれに対応する、ホールダウン金物の2.5t用を設置した。