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11月18日に公表された構造計算書の偽造について(その1)


某設計事務所が構造計算書を偽造していたとの事、マスコミによると「外力値」を半分にしていたとの事、正直この様な大規模の偽造は無くとも、少なからずバブル崩壊後の構造設計者への発注者側からの、依頼価格(建設コスト)の低下と構造設計者同士の過当競争等による、多少の偽造は昔からあったように思われる。

現実に、まともな構造設計者が淘汰され「輩的構造屋」が普通以上の暮しをして、本質を備えた構造設計者が「お前の所はコスト(断面等も大きい)が高くつき、融通も利かないので他の構造屋に替えるから」と言われた事がある。

生きていく為に仕方なくその様な仕事をしてしまったら、次からは「まあいいか」と思う様になり、さらには「あいつがやっているのになぜ俺だけ泣かないといけないのか」その他言い上げればきりが無いが、とにかく「氷山の一角」であると言えるかもしれない。

この様な問題の根底には、この前の「構造技術者としての倫理」に尽きる。

この本質を持ちえていない構造屋が建設不況で大量に増殖したと言え、悲しいけれど見つからないでいまだに「その様な」事をしている人は「どじをふんだなぁ 俺はそんなどじはふまないぜ!」とか「うわぁーどうしよ俺も程度は低いが同じような事をしたけどバレよなァ〜」と思っている人も少なからず居てると思われる。

本来、構造技術者とは医者と同等の様な、「聖職」であると思う。

この建物を審査した民間の検査機構(役所の天下り機関)はいったいどんな「罰則」が有るのだろう?

答えはだいたい予想がつくが・・・

「我々は耐震構造の安全性は審査していなく、あくまで確認しているに過ぎない」 「全ての責任は設計者と監理者にある。」と

それにしては、確認の申請料は2〜3時間見るだけで2万から場合(大きな規模)によっては数十万も掛るのに、そして見て結果に対して責任を取らないで良いとなると、一体この国はなんなのだ!と言いたくなる。

この事件の裁判等の結果が、これからの建築基準法のさらなる改正に向うかどうか?

また、構造技術者の孫請的実態が改善されるか? 二十一世紀に残された最後の大問題がどうなるか?

その結末はいったいどのような結末になるのだろう?


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©Tahara Architect & Associates, 2005