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5月26日の夕方に起きた宮城県沖地震について(1)



この地震で東北を中心に北海道から関東までかなり広範囲に揺れを観測した。

揺れの強さは震度6弱であったが、木造住宅の大破等の被害はほとんどなかった。

震度6弱といえば、木造住宅の一部の剛性の低い住宅では倒壊する危険性もあり、耐震性の高い住宅でも壁等がクラックを生じる恐れのある地震と規定されている。

しかしこの地震で被害が少なかったのは、揺れの周期が短かった等の要因もあるが、25年前に起きたの宮城県沖地震で、耐震的に不備のあったものが、ほとんど大破等の被害を受け、改修や建て直されたりした結果、耐震性能が向上し、今回の地震に対し被害が少なかったものと考えられる。

その25年前の地震から現在までの新築及び改築等の設計・施工では、寒冷地における面材の多用により、剛性や耐力が向上したので、木造住宅の被害が少なかったのであろうと思われるが、これは、東北や北海道の北日本に限っていえる事かもしれない。

しかし、これから予想される西日本地域における地震では、このような軽微な被害には絶対にならないであろうと予想される。

 

西日本における弱点

その1・・・建物重量が北日本に比べてかなり重い。

その2・・・北日本に比べて、南面に向かってかなり開放的である。

その3・・・北日本に比べて、震度6弱以上の地震の回数が過去100年間で比較的西日本は少ない。

その4・・・西日本の木造住宅で耐震性を考慮した住宅造りが最近行なわれ出した。

その5・・・地震対策に関する住民の意識が北日本に比べてまだ低い。

以上の5点が主な弱点だと思われるが、まだ他にも色々と弱点はあるが、今回の地震を明日は西日本のどこかに起こると思ってその地域に住んでいる人は、注意する必要がある。

つまり、西日本の被害は同じ震度であっても、北日本より大きいことが予想される。

その対策として、木構造技術の専門家に木造住宅の的確な耐震診断と耐震補強設計を行ない、リフォーム工事と併用して耐震補強工事を施工することにより、安全を出来るだけ確保していただきたいと思う。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003