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今後予想される大地震の被害想定について



今年の4月17日に公表された南海・東南海地震における被害の想定が出た。

それによると、木造住宅の倒壊家屋は地震の影響で約16万棟に達し、さらに建物の倒壊等により6500人の死者が出ると予想されている。

このような想定を立てられるということは、どのような木造住宅が潰れるというのを事前につかんでいるということであり、その情報は何故公開されないのだろう。

もし事前に分かっているのであれば、早めに対象となる世帯に知らせるべきで、それだけの事を発表するのならば確信がないと言えないはずであるのだが・・・。

不安をあおるだけあおって、具体的にどんな対策をとらないといけないのか何も情報を伝えないで「6500人が死にますよ」とかとか言うのであれば、余りにも無責任な脅しではないか。

この予測が何をもとに考えられた結果なのかを明示し、どのような家屋に被害が予想されるのかを公表したり、具体的な耐震措置をとるなどの対策はできないのであろうか。

そんなに危ない状況の木造住宅が多いのであれば、ひとつの銀行を救うために数兆円の税金を使うよりも、一軒当たり500万円の補助金を出して40万棟の家屋を耐震補強するほうが、よっぽど税金の有効な利用方法ではないのか。

先進国と言われている日本だが、このように言うだけ言って行動に移さないお役所体質から抜け出せないままでは、この先どうなるのか・・・?


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003