温泉津温泉・元湯泉薬湯 (島根県)
所在地 : 邇摩郡温泉津(ゆのつ)町
施設名 : 元湯泉薬湯(入浴日:2005・4・12)
温泉名 : 温泉津(ゆのつ)温泉
住 所 島根県邇摩郡温泉津町温泉津口208−1
電 話 0855−65−2052(旅館・長命館)
交通機関 浜田自動車道浜田ICから約36km
JR山陰本線温泉津駅から温泉津町営バスで8分温泉前下車
施 設 食事処(11〜13時要予約) 駐車場(約20台)
宿 泊 長命館で宿泊可
泉 質 ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 平日5時30分〜20時20分 
定休日 無休(年2回臨時休業あり)
入浴料金 平日 大人300円、小人150円(0才〜小学生)
入浴施設 内湯男女各1
浴室備品 無し(シャンプーなど要持参)
観光スポット 石見銀山・日御碕・出雲大社・松江城周辺
お土産・食事 温泉街
近くの温泉 有福温泉・上津井温泉・美又温泉・旭温泉・湯迫温泉・三瓶温泉・湯抱温泉
温泉津町HP
観光協会HP
http://www.iwamigin.jp/yunotsu/
http://www2.crosstalk.or.jp/yunotsu/
雑記帳 石見銀山では最盛期に20万人が働いていた。
石見銀山遺跡は、東西に長い島根県のほぼ中ほど、大田市、邇摩郡温泉津町、同仁摩町などを含めた広い範囲に分布しており、その中心となる大田市大森町は、JR山陰本線大田市駅から約11kmの南西部にある。
16世紀〜17世紀の約100年の間には大量の銀が採掘され、大内氏、尼子氏、毛利氏といった戦国大名の軍資金や江戸幕府の財源として使われた。また、石見銀山が佐摩村にあったことから「ソーマ(Soma)銀」と呼ばれ、海外にも数多く輸出され、中国や朝鮮半島などのアジア諸国とポルトガルやスペインなどのヨーロッパ諸国を交易で結ぶ役割の一端を担った。17世紀前半の石見銀の産出量は年間約1万貫(約38t)と推定され、世界の産出銀の約3分の1を占めていたといわれる。
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
温泉津は「ゆのつ」と読み、文字通り「温泉のある津」に由来する。
温泉津は、かっては世界の銀の1/3を産出し海外にも輸出していた石見銀山と深い係わり合いがある。

銀山は鎌倉時代末期、大内氏により発見され、本格的な開発は16世紀初頭に始められ、その後17世紀にかけて最盛期を迎えた。
発掘された銀は、周辺の港から出荷されていたが、その内の一つが現在の温泉津港だった。銀山とこれらの港の間は道が整備され、銀山街道と呼ばれている

近代に入り銅山として稼動していたが、大正12年(1932年)に閉山となった。その後、大規模な開発が行われなかったこともあり、多くの遺跡が極めて良い状態で保存されているため、国指定史跡となり、現在、世界遺産登録の動きが活発化している。

現在の温泉津温泉は、この銀山街道に沿って小さな旅館が立ち並び、明治・大正の風情を漂わせている。
11泊の九州温泉旅行の最終日、自宅への中継地点として、いまだ入浴していない島根県の温泉で一泊することにし、温泉津温泉を選んだ。
温泉街から徒歩7〜8分、温泉津の漁港
「温泉教授」の松田忠徳氏は、著書の「日本百名湯」で、温泉津温泉についてこう述べられている。

「湯治場の風情を色濃く残す温泉街が旧銀山街道沿いに500〜600m続く。大正か明治時代にでもタイムスリップしたような、渋いモノトーンの街並みである。狭い通りに石洲瓦の小さな温泉宿が12軒・・・・」

温泉街の風景はこの通りだ。旧街道には旅館以外に、外見からは営業しているかどうか分からない土産物屋、寺院それにとびっきりレトロで源泉かけ流しの共同浴場が2軒(元湯泉薬湯・薬師湯)あり、早朝5時過ぎから営業している。
ここに宿泊されたなら、朝食前に浴衣姿で散策し、共同浴場で朝湯に浸かることをお薦めする。
旧銀山街道沿いの温泉街
温泉津の老舗・長命館
前日宿泊した九州の九重高原から500km余り、8時間かけて温泉津温泉にやって来た。
すれ違いが難しい旧銀山街道に入って間もなく、旅館・輝雲荘に到着。荷を解くのももどかしく、仲居さんから「すみませんね〜最近値上げして300円になりました。」の言葉を背に受けて、徒歩2分の元湯泉薬湯(もとゆせんやくとう)に出かけた。

ここは温泉津温泉の元祖とも言える共同浴場で、すぐ近くの旅館・長命館の先祖が室町時代に開湯し、現在も19代目の館主が管理している。
外観も浴室等の館内も、温泉好きなら垂涎もののレトロな造りだ。

脱衣室には、入浴マナー・入浴方法などの注意書きや効能の紙がべたべた貼ってある。
浴室は、床・浴槽・壁の下部に温泉成分が付着して黄土色になっている。浴室には地元の高齢の方が数人いらっしゃった。

浴槽は「ぬるめ」と「熱め」の2つがあり、前者が42℃、後者が44〜45℃くらいであろうか、私にとっては「ぬるめの湯」でもけっこう熱く感じられた。
湯はナトリウム・カルシウムー塩化物塩泉で僅かに青味がかっている。特筆すべきは湯の新鮮さで、いくらも離れていないところで49.6℃の温泉が自噴し、それがそのまま年季の入った浴槽に注がれている。

これぞ温泉、これぞ共同浴場、感動しつつすぐ近くのもう一つの外湯に向った。
湯船の内外は、成分が付着してゴツゴツしている。
簡素な外観
地元の人が入浴セットを棚に置いている。