新野地温泉 相模屋旅館 (福島県)
所在地:福島市土湯温泉町
温泉名:新野地温泉 (宿泊日:2004.10.7)
施設名相模屋旅館 (宿泊日:2004.10.7)
住 所 福島市土湯温泉町字野地2番地
電 話 0242−64−3624
交通機関 東北自動車道福島西ICから国道115号線・県道30号線で約30km
東北新幹線福島駅から磐梯吾妻スカイライン経由バス(1日2本・冬期休業)で約2時間40分新野地温泉下車徒歩10分
東北新幹線福島駅から土湯温泉行バス42分、終点からタクシー利用22分
施 設(日帰り) ロビー休憩、駐車場(50台)
宿 泊 23室 1人10,650円〜21,150円(税込み)
泉 質 単純硫黄泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
外来入浴時間 10時〜15時
定休日 無休
入浴料金 大人500円
入浴施設 内湯男女各2、露天風呂男1女2、
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ロッカー(以上は館内大浴場)
観光スポット 磐梯山、猪苗代湖、桧原湖、五色沼、秋元湖、磐梯吾妻スカイライン(日本の道100選)、吾妻高原、浄土平
お土産・食事 昼食は旅館ではとれない。 土産として季節に応じての桃、梨、サクランボ、ブドウなどが喜ばれる。(福島市北西部のフルーツライン、ピーチライン等で購入)
近くの温泉 土湯温泉、野地温泉、幕川温泉、鷲倉温泉、赤湯温泉
福島市HP
日本秘湯を守る会HP

相模屋HP
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/
http://www.spa.or.jp/hito/info.htm
http://www6.ocn.ne.jp/~sagamiya/index.html
雑記帳 土湯温泉郷及びその周辺の日本秘湯守る会会員旅館
高湯温泉:旅館ひげの家、吾妻屋
新野地温泉:相模屋
鷲倉温泉:鷲倉温泉(温泉名に同じ)
幕川温泉:吉倉屋、水戸屋
赤湯温泉:好山荘
奥土湯・川上温泉:川上温泉(温泉名に同じ)
データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
「日本秘湯を守る会」会員旅館
福島県の県庁所在地、福島市は東京都心から東北道を利用して300km弱、人口約29万人で東北の玄関口である。
周囲を磐梯朝日国立公園、吾妻連峰の山々に囲まれ、観光的には福島市は日本一の生産量を誇る「桃」「梨」の他、ブドウ、サクランボ、リンゴ,、洋ナシなどを生産しする「くだもの王国」であり、また、奥州三名湯の一つ飯坂温泉・奥州三高湯の高湯温泉・多数の秘湯を有する土湯温泉郷の3つを有する温泉都市でもある。
また、市の西方に位置する日本の道100選の磐梯吾妻スカイラインは、日本100名山の吾妻連峰を縫うように走る山岳自動車道で、蛇行する道路は標高750mの高湯温泉から1,242mの土湯峠までの29kmの道のりで雄大な景色を展開する。
福島市方面から県道30号線に乗り秘湯が点在する土湯峠に向う危険な箇所は無いので、難しいドライブテクニックは不要。そこから、日本の道100選の磐梯吾妻スカイラインに乗ってドライブを楽しむ。
東北自動車道の始点、川口JCTから255km、福島西ICを下りて北側の吾妻(あずま)連峰、南側の安達太良(あだたら)山の麓を国道115線で12kmほど西に進むと「土湯温泉」に到着する。旅館・ホテルが25軒ほどあるかなり大きな温泉地だ。
ここから国道は日本百名山の一つ標高1,700mの安達太良山に向ってぐんぐんと高度を上げて行き、途中、県道30号線(旧国道115号線)に乗りかえ、山腹を縫うようにして標高1,240mの土湯峠に向う。
峠の周辺には温泉マニアにはこたえられない湯量豊富な数多くの秘湯が点在している。野地・新野地・鷲倉・赤湯・幕川温泉などで、これらと土湯温泉をくくって土湯温泉郷と称している。
新野地温泉は、日本の道100選の磐梯吾妻スカイラインの出入り口にあたる土湯峠の手前5km、安達太良山を背に標高1,200m、県道沿いのブナの原生林に囲まれた一軒宿である。

昨年7月、吾妻スカイライン沿いの高湯温泉玉子湯に宿泊した際、近くの幕川温泉に立ち寄った。この際、周辺に日本秘湯を守る会会員旅館が多数あることを知って、是非ともこの地を再訪したく思っていたが、今回その念願を果たした。
土湯温泉郷の土湯温泉を除く温泉地はすべて秘湯と言っていい。川上・野地・新野地・鷲倉・赤湯・幕川温泉がそれで、これらの中には冬期に閉鎖するところもある。これらの中から新野地温泉を宿泊地に選んだのは、ひとえにワイルドな露天風呂と素朴な内湯に惹かれたためだ。
旅館の部屋数はわずかに23室、時代の流れで本館は鉄筋となっているが、温泉小屋と露天風呂、それを結ぶ廊下は昔のままでまことに風情がある。館内のいたるところや部屋に、華道を心得た生け花が置かれていて、宿の心配りが伺える。
宿泊料は季節・曜日に関係なく、1人10,650円〜21,150円(税込み)となっている。
私たち夫婦が宿泊した部屋は1人当たり13,000円(税別)、県道に面した10畳の和室でトイレ付き、吾妻連峰が見渡せ、夜には福島市の夜景が見事だった。
食事は小鍋、山菜や川魚を中心に素朴だが心がこもった料理が部屋出しされた。(朝食は宴会場)
食後、部屋には、果物王国に相応しく、5種類のフルーツが運ばれてきた。旅行中は、どうしても新鮮な野菜や果物に欠けるだけに、誠にうれしい配慮だった。
ここの名物は、なんと言っても建物の裏手に設けられた野趣満点の「野天風呂」だ。
豪快な山塊の鬼面山を背に、岩肌から源泉の湯煙が立ち上がる山腹に設けられた男女別の風呂へは、廃材などを利用した木道をきしませながら向う。右手に女性用、左手をさらに進むと男性用がある。これまた木材を立ち並べた目隠しの内側に6畳弱の風呂があり、すぐ近くの源泉から流し込まれたぬる目の白濁した硫化水素泉で満たされている。前方は展望も開け、これぞ秘湯を実感できる。
野天風呂に向う手前には、素朴というか、粗末というべきか、古びた木造の湯小屋があり、男女別の内湯がある。隣の女性用とは波型のトタン板だけで仕切られ、反対側の窓からは野天風呂から戻ってくる女性達から丸見えである。しかしながら、湯で磨かれて丸くなった木材の床や湯舟はなんとも快く、私は野天風呂より気に入った。風呂はこの他に、宿泊棟にこれまた心休まるすべて木造の内湯があり、女性用には専用の露天風呂も付属されている。混浴が多く男性に有利な東北の旅館にあって、ここは女将さんの力が強いのか、女性客を重視しているためなのか定かではないが、女の人にはとってはまことに嬉しい配慮だ。
手前は湯小屋
日本秘湯を守る会の提灯
ぬくもりを感じさせるロビー
地元の食材を使用した夕食
感激のフルーツ盛り合わせ
ワイルドな野天風呂への道
「露天風呂」より「野天風呂」の言葉が似合う。
ここに1人でゆったりと入浴、幸せだった。
眼前に湯煙が噴き出る女性用の野天風呂
(旅館HPから)
宿泊棟内、これまた風情あるオール木造の内湯